2010 Fiscal Year Annual Research Report
コリアンダー精油成分の肺吸収と機能性に関する基礎的研究
Project/Area Number |
22580133
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
田村 啓敏 香川大学, 農学部, 教授 (00188442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一柳 孝司 香川大学, 農学部, 准教授 (00288226)
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Keywords | 揮発性機能成分 / 抗発ガンプロモーター活性 / Raji細胞 / コリアンダー / 特徴的香気成分 / alkenal / 皮膚吸収 / 肺吸収 |
Research Abstract |
本研究は、揮発性食品機能成分の検索とその生理機能メカニズムを解明する基礎研究である。コリアンダー全草から精油を得て、その機能成分を明らかにした。これまでは、お茶やワインなどのポリフェノール類の水溶性成分のラジカル抑制作用や抗酸化活性などが知られるが、低分子揮発成分にRaji細胞の抗発ガンプロモーター活性があることが明らかになった.コリアンダーから独自の抽出法を用い、精油を得、活性成分をカラムクロマトグラフ分画に供し、画分の活性試験及びNMRやMS等による化学構造解析により、2-dodecenalと2-tridecenalなどの2-alkenal類が機能成分であることを明らかにした、一方で、コリアンダーの特徴的香気成分をCumulative法を利用し、コリアンダー香気を最も有する特徴的な匂い成分が、これら2-dodecenalと2-tridecenalであることを、GC分析を併用した官能検査により明らかにした.今年度得られた主な結果は、1)コリアンダー香気として人に認知されるのは、2-dodecenalと2-tridecenalであり、これを嗅ぐと食材のコリアンターを容易に連想できること。2)嗅覚認知できる物質(2-dodecenalと2-tridecenal)が、癌細抱のプロモーションを阻害する物質であること。また、認知できる濃度以上機能性物質が、体内吸収している可能性があることが分かった。以上からそれら揮発成分を嗅ぎ分けることが、健康機能を維持し、病気を予防する手段となりうる1つのモデル実験としての価値があることを示すことができた。今後alkenalを用いて、生体内吸収の証拠を得て、揮発成分の、皮膚や肺からの吸収及び機能発現の可能性を明確にする予定である。
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Research Products
(4 results)