2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22580142
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Research Institution | Shokei Gakuin College |
Principal Investigator |
赤坂 和昭 尚絅学院大学, 教授 (10201881)
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Keywords | 活性酸素 / 目視検出 / 抗酸化性 / 簡易評価法 / ビタミンC / ビタミンE / 熱酸化油 |
Research Abstract |
前年度までに、3,6-dihydroxyxanthaneの自己触媒的発色反応を利用し、ビタミンCなどの抗酸化化合物を、TLCプレート上で目視検出により発色までの時間を計測することにより定量することが可能であることを示した。本年度は、(1)分離条件の再検討による共存するカテキン類などの影響の低減化、(2)検量線の多項式近似による単一関数化、(3)目視検出における個人差の影響の検討、(4)ビタミンEの定量法人の展開を実施した。 ビタミンC分析のためのTLCの展開溶媒系について再検討を行い、定量に大きく影響を与えていたカテキン類との良好な分離を実現し、その影響を低滅化することができた。ビタミンCの検出下隈は0.05mMで、発色までの時間はアスコルビン酸に対し濃度依存的に延長し、0.1~20mMの範囲で発色するまでの時闇と濃度の間に多項式近似(2次関数)により良好な相関関係が認められた(r=0.995)。8種の飲料について7名による目視評価の再現性は、相対標準偏差で2~7%程度で、個人間で「くせ」が認められた。飲料への添加回収率は92%と良好であったが、糖濃度等の高い飲料ではスポットの広がりから低くなる場合があり、このような試料については希釈倍率を高めて測定する必要があった。市販飲料(23種)を測定した結果、市販のF-キット酵素法による結果と高い相関性が得られた(r>0.991)。またビタミンEの分離、及び検出について検討しα、(β+γ)、δの各Tocopherolの分離が可能で、発色するまでの時間は膿度依存的で、ビタミンEの定量への応用が可能であることが示唆された。βとγ-Tooooherolの分離は不完全であったが、β-Tocは小麦胚芽など分布が限られており充分実用的であると判断した。市販油を160℃で加熱し、本法によるスポット消失時間と、HPLC法によるビタミンE量、及び熱酸化用のテスター(極性成分測定)を用いた油劣化判定の結果はよく一致したことから、揚げ油劣化の簡易評価法としての応用の可能性も示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度3月の大震災で学生の安否確認や震災後のケア、授業開始の遅れなどの影響もあり、3カ月ほどは本格的に硬究に取り組むことができなかったが、研究成果発表の準備が予定より遅れていることを除けば、計画していた研究自体は予定した方向で進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れている研究成果の公表に向けた準備とともに、昨年度の研究で大きな可能性が見出されたビタミンEの分別定量法の確立と、揚げ油の評価への応用について引き続き検討を行う。また、目視検出による、計測値のばらつきについて検討する必要があるため、複数の測定者間での再現性評衝を実施し、問題点を明らかとするとともに、その対策を講じる。
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