2012 Fiscal Year Annual Research Report
葉酸過剰摂取が制御性T細胞の機能、分化に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
22580144
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Research Institution | Chiba Institute of Science |
Principal Investigator |
岡本 能弘 千葉科学大学, 薬学部, 准教授 (40261036)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 葉酸 / 制御性T細胞 / Th17 |
Research Abstract |
葉酸過剰摂取、あるいは欠乏が免疫システムに及ぼす影響は不明である。制御性T細胞(Treg)に4型葉酸受容体(FR4)が高発現することが報告されている。葉酸摂取異常によってTreg表面のFR4を介してTreg細胞機能に何らかの機能変化を及ぼすことが想定される。葉酸過剰摂取あるいは葉酸欠乏により卵白アルブミン(OVA)に対する経口免疫寛容の誘導亢進傾向を前年見いだした。この葉酸欠乏/過剰摂取による免疫寛容亢進の機序として、Treg細胞の分化亢進が考えられた。これらを踏まえ、本年、葉酸の摂取状況がTreg細胞分化に及ぼす影響を詳細に調べた。葉酸欠乏飼料で1ヶ月飼育したマウスの脾細胞中の内在性Treg(nTreg)頻度(CD4+CD25+Foxp3+)は対照群と有意な差はなかった。また、過剰葉酸含有飼料(50mg/g diet; 通常飼料の葉酸含量のx2000)で飼育した場合も有意な差はなかった。この時のCD4+細胞のFR4発現にも有意な差がなかった。nTreg分化に葉酸摂取は関係しないようである。一方、これらマウスリンパ球からin vitroでTregを誘導した(iTreg)場合、iTreg頻度は葉酸の摂取量に依存して低下する傾向が見られた。また、近年、TregとIL-17産生細胞として重要なTh17との分化の可塑性が注目されている。これらマウスリンパ球からin vitroでTh17を誘導したところ、葉酸の摂取量に応じてTh17頻度が増加した。以上のことからTreg/Th17の可塑性に影響し、誘導型Treg分化に影響している可能性が考えられる。葉酸欠乏状態での免疫寛容亢進には葉酸欠乏によるTh17分化抑制によりiTreg/Th17バランスのTreg優位な状況への偏向が関わっている可能性がある。今後この現象の分子メカニズムの解明が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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