2011 Fiscal Year Annual Research Report
In vivo生体顕微鏡を用いた植物ポリフェノールの微小循環に対する作用の検証
Project/Area Number |
22580146
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
越阪部 奈緒美 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (30554852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 政廣 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (60158954)
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Keywords | ポリフェノール / 生体顕微鏡 / 微小循環 / in vivo |
Research Abstract |
高ポリフェノール含有食品の摂取は心血管系疾患のリスクファクターを改善するが、その詳細については未だ不明な点が多い。昨年度我々が開発した生体顕微鏡を用いることによる生理的条件下におけるラット挙睾筋および腸間膜微小循環観察システムを用い、植物性ポリフェノール単回投与の影響をラットを用いて評価した。ウレタン麻酔下で胃内チューブを留置したラットにポリフェノール(flavan 3-ols faction, epicatechin, epigallocatechin gallate, cyanidin, quercetin)を投与し挙睾筋を展開し、挙睾筋動脈血流をperiscanPIM2レーザードップラー血流測定装置を用いて測定した。また同時に、tailcaff法を用いて心拍数および血圧をモニターし、大循環に対する影響を検討した。またflavan 3-ols単回投与後の大動脈を摘出し、タンパク質を抽出した後Western blott法を用いてeNOSの発現量を測定した。挙睾筋動脈血流量はflavan 3-ols fraction, cyanidinで上昇したが、epicatechin, epigallocatechin gallate, quercetinでは変化が見られなかった。心拍数および血圧においてもflavan 3-ols fraction, cyanidinで上昇が認められたが、epicatechin, epigallocatechin gallate, quercetinでは変化が見られなかった。flavan 3-ols単回投与後の大動脈において有意なeNOS発現量の増加が認められた。 以上の結果から、ポリフェノールの種類によって、微小循環および大循環に対する作用強度には大きな差異が認められることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初本年度に計画していたホリフェノール類の挙睾筋動脈血流および心拍数・血圧に対するさようについて成分間差を見出すことができていることから、概ね計画通りであると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
ポリフェノールの種類によって循環系に対する作用強度が大きく異なることが示唆されたことから、当初予定していたプロシアニジン以外のポリフェノール化合物についても比較検討する必要性が生じた。このことから、今後は調査対象の幅を広げ検討することとする。
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