2012 Fiscal Year Annual Research Report
生体試料分析を主目的としたアシル化アントシアニンの高感度LC-MS/MS分析
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22580147
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松藤 寛 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (70287605)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | アントシアニン / 安定性 / LC-MS分析 |
Research Abstract |
結合糖数の多いアントシアニン(AN)をギ酸系を移動相とするLC条件下で分析すると、低濃度のギ酸(1%以下)では、ピークがブロード化するため高感度分析ができないことが判明している。一方、TFA系を移動相とすると(0.5%以上)、シャープなピークが得られるが、LC-MSではTFAによるイオン化効率の低下のため、極めて低感度となる。このことは、これまでLC-MSやLC-MS/MSを用いて報告されているANの分析、特に微量分析を行っている細胞内や血中内での分析・同定に関する論文については見直す必要があることを示唆する。そこで、結合糖数の異なる様々なANのLC-MS/MSによる高感度分析法の確立を目的とした。 移動相組成や、TFAを移動相としたカラム分離後にギ酸溶媒を混合するポストカラム法など試みたが、良好な分離と感度向上条件は見いだせなかった。しかし、超高性能液体クロマトグラフィー(UPLC)を連結し、3分間の短時間でのアセトニトリルのグラジエント勾配にすることにより、ギ酸含有(0.5%)条件下でも、ANのシャープなピークが得られ、また最適なMS条件より0.05~1pmol程度の高感度な分析が可能となった。ただ、溶出時間が近接する化合物では、糖が脱離した分解物を同時に測定することは困難である場合が認められた。本条件下にて細胞培養液中からのODS固相カラムを用いた10種ANの添加回収実験を試みたところ、70~140%の回収率を示した。一方、肝臓組織からは、試料液が着色しているものの、LC-MS分析ではピークが認められず、回収率は0%であった。リン脂質などのイオンサプレッサーの存在が示唆されたことから、リン脂質除去固相抽出カラムを試みたが、ANも同時に除去されてしまい、生体組織からのANの分析には更なる検討が必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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