2011 Fiscal Year Annual Research Report
ホップ由来プロシアニジン及びその低分子化プロシアニジンの肥満予防機能の解明
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22580148
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
長田 恭一 明治大学, 農学部, 准教授 (30271795)
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Keywords | 肥満 / 糖尿病 / ラット / ポリフェノール / アディポサイトカイ / コレステロール / 脂質代謝 / ホップ |
Research Abstract |
肥満と糖尿病を発症するOLETFラットに対して、ホップポリフェノールを含む飼料を摂取させた場合の肥満抑制ならびに糖尿病発症遅延効果について検証した。4週齢のオスOLETFおよびLETO(NC群)ラットを1週間予備飼育した後、油脂源としてラード2%とハイオレイックサフラワー油5%を含むAIN93純化飼料にホップポリフェノール(H群)を1%添加(対照は無添加=C群)したものを与え摂取量に差が生じないようにして飼育した。飼育期間中に体重、腹囲、血圧を測定し、飼育70日目にエーテル麻酔を施して腹部動脈より採血死させ、白色脂肪組織重量、脂質代謝パラメーターならびに糖尿病パラメーターを測定した。その結果、C群と比較して、H群は体重増加、腹囲増大、脂肪組織重量の増加はいずれも抑えられた。血圧の上昇もC群と比べてH群は59日目では低くなった。血漿中のトリグリセリドと総コレステロールレベルはC群と比べてH群は低くなり、HDLコレステロールレベルは高くなった。そのため、動脈硬化指数はC群よりもH群は低くなった。また、飼育40日目の空腹時血糖値とヘモグロビンAlcの各レベルはC群と比べてH群は有意に低くなった。肝臓の脂肪酸合成系酵素活性はC群と比べてH群は有意に低くなった。β酸化系の酵素活性は、ばらつきが大きく明らかな違いは認められなかった。アディポサイトカインレベルは、レプチンとアディポネクチン各レベルに大きな違いはなかったが、MCP-1レベルはC群と比べてH群では有意に低くなった。このように、ホップポリフェノールを摂取することによって、OLETFラットでは体重増加が抑えらるとともに糖尿病発症が遅延されることが明らかとなった。このように、ホップポリフェノールは肥満予防食品素材であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラットの種別を変えて、ホップポリフェノールの抗肥満作用がほぼ明らかとなっている。低分子化にかんする部分について高額機器の調達が難しく進捗していないが、新たにホップに含まれる機能性成分も発見できている状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
肥満に伴う糖尿病予防機能、ならびに新たに発見したホップの機能性成分の有効作用について追究していきたいと考えている。低分子化については、機器の購入が予算的に難しいので、試験管レベルでの確認にとどまると思われる。
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