2012 Fiscal Year Annual Research Report
ホップ由来プロシアニジン及びその低分子化プロシアニジンの肥満予防機能の解明
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22580148
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
長田 恭一 明治大学, 農学部, 准教授 (30271795)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ホップ / ポリフェノール / ラット / 肥満 / 糖尿病 / 脂質代謝 / 吸収 |
Research Abstract |
ホップポリフェノール(HP)による糖尿病発症予防効果について抗酸化作用に焦点を当てた。高血糖状態では、抗酸化酵素の失活や活性酸素種産生の亢進によって酸化ストレスが増大する。この酸化ストレスは膵臓β細胞のインスリン分泌やインスリン受容体の感受性を低下させるため、糖尿病状態が進行する大きな原因となる。そこで、ストレプトゾトシン(Stz)を腹腔投与して糖尿病を誘発させたラットを用いて、インスリン分泌低下に起因した糖尿病状態に対するHPの効果を検証した。Stzの投与量を変えることによって軽度と重度の糖尿病ラットを作製し、HPの摂取が肥満を介さずに起こる糖尿病に対してどのような効果を示すのかを検証した。軽度糖尿病病態では、HPの摂取で若干ではあるが空腹時血糖値とインスリンレベルが改善された。また、HPの摂取によって血漿還元活性や各抗酸化酵素の活性が高くなった。よって、HPの摂取により抗酸化パラメータの改善を通じて軽度糖尿病の進行が抑えられると思われる。一方、重度糖尿病病態では、HP摂取による糖尿病パラメータと抗酸化パラメータの改善は認められなかった。以上の結果から、HPはインスリン分泌低下に起因した糖尿病の進行を抑えることが示されたが、その効果は肥満予防効果に比べて弱いことが明らかとなった。最後に、HPの抗糖尿病作用の一因を調べるため、腸管からの脂肪と糖質の吸収に与える影響を検証した。その結果、HPは脂質ミセル形成や脂肪と糖質の消化酵素の活性を濃度依存的に阻害することが明らかとなった。さらに、反転腸管法により、HPがグルコースの腸管通過を阻害することを確認した。以上の結果から、HPの肥満および糖尿病に対する予防効果は、腸管からの脂肪と糖質の吸収阻害が一因であると考えられる。また、HPの腸管での消化吸収に及ぼす影響は、糖質よりも脂肪に対する作用の方が強いことも明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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