2010 Fiscal Year Annual Research Report
味の相互作用理解のための味覚受容からシグナル発生を担う味覚シグナロソームの解明
Project/Area Number |
22580154
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
日下部 裕子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, ユニット長 (90353937)
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Keywords | 味細胞 / 味覚 / 免疫沈降法 / イオン動態 |
Research Abstract |
味細胞内のカルシウムイオンおよびナトリウムイオン動態に関与する分子の探索を行った。また、強制発現系を利用して味細胞内に発現しイオン動態制御に関与する分子群について分子間の結合能およびそれらの分子間相互作用について解析を行った。 (1)味細胞内のイオン濃度制御に関与する分子の探索 味細胞に発現して細胞内ナトリウムイオン動態に関与することが予想される分子としてNa-Kポンプとして機能するNa,K-ATPase α1,β1、FXYD6を既に得ていたが、それ以外のサブファミリーメンバーの発現および局在について解析を行った。その結果、味細胞を含む舌上皮にはFXYD3も発現することが明らかになったが、味細胞に発現して細胞内カルシウムイオン動態に関与することが予想される分子と発現様式が一致するのはFXYD6のみであることが示された。細胞内カルシウムイオン動態に関与する分子とFXYD6が発現する細胞は、甘味・苦味・うま味受容する細胞であることから、FXYD6と共に機能するNa,K-ATPaseは甘味・苦味・うま味受容を行う細胞中のナトリウムイオン動態を制御する機能があることが示唆された。 (2)細胞内イオン動態に関する解析 味細胞に発現して細胞内カルシウムあるいはナトリウムイオン動態に関与することが予想される分子について、免疫沈降法を用いて分子間結合を解析した。既に明らかになっているJaw1とイノシトール三リン酸受容体IP_3R3、Na,K-ATPase α1,β1,FXYD6以外については有意な結合は見出されなかったが、Jaw1は単独で複合体を形成して機能する可能性が高いことが見出された。
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