2012 Fiscal Year Annual Research Report
味の相互作用理解のための味覚受容からシグナル発生を担う味覚シグナロソームの解明
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22580154
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
日下部 裕子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, 上席研究員 (90353937)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 味覚 / 複合体 / 情報伝達 / シグナロソーム |
Research Abstract |
味覚は食感覚の中心的な役割を担い、他の感覚と同様、抹消で受容されたシグナルが神経、脳に伝達され知覚される。末梢細胞でのシグナルは、受容体とリガンドの結合情報がイオン動態変化を引き起こすことにより発生する。近年、膜受容体を介した情報伝達機構に関する研究が進捗し、情報伝達機構に関与する分子は基本的に複合体「シグナロソーム」を形成しており、複合体に含まれる分子の組み合わせがその機能を決定づけるという概念が確立してきた。そこで、本研究では申請者が見出した味細胞に発現する分子を利用して、味覚受容に関わる複数の分子間の相互作用の解析により、味細胞のシグナル発生などのイオン動態制御における複合体の役割を明らかにすることを目的として研究を行った。 本年度はマウス舌組織を用いた免疫沈降法を行い、味細胞中で甘味・苦味・うま味情報伝達への関与が示唆されているイノシトール三リン酸受容体3(IP3R3)およびJaw1の相互作用について解析した。その結果、IP3R3とJawの共沈が観察され、IP3R3とJaw1は味細胞中でも結合する可能性が高いことが示唆された。並行して、甘味受容体T1r2あるいはT1r3に対する抗体を用いた免疫沈降を行ったが、これらがIP3R3やJaw1と複合体を形成する可能性については結論が得られなかった。ヒト甘味受容体T1r2、T1r3は、単独では膜移行能が低いが、共存すると高くなることを我々は観察している。そこで、甘味受容体T1r2、T1r3をIP3R3、Jaw1とともに培養細胞HEK293に導入して、これらの膜移行性の変化を観察した。その結果、甘味受容体T1r2、T1r3の膜移行能は、IP3R3、Jaw1を同時に発現させても変化せず、受容体シグナロソーム形成と受容体の膜移行は無関係である可能性が高いことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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