2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規ジカルボン酸によってシラカンバ幼植物体内に誘導される全身植物免疫機構の解明
Project/Area Number |
22580156
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
横田 信三 宇都宮大学, 農学部, 教授 (60210613)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 菌類 / シグナル伝達 / 植物 / タンパク質 / プロテオーム / シラカンバ / アゼライン酸 / 樹病 |
Research Abstract |
本研究では、アゼライン酸投与によって誘導される、シラカンバ幼植物体No.8における病害抵抗性メカニズムを解明するために、アゼライン酸処理によって幼植物体内に誘導される特異的タンパク質の同定を行った。クローン無菌シラカンバ幼植物体No.8の第三節間にメスで傷を付け、ここにアゼライン酸バッファー溶液を投与した(T)。対照として、無傷の幼植物体(C1)、傷を付けバッファーを投与した幼植物体(C2)を用意した。処理2日後に、C1, C2及びTの各幼植物体を収集し、タンパク質を抽出した。得られた各タンパク質サンプルを二次元電気泳動にかけ、ゲルを染色後、画像解析を行い、Tに特異的なタンパク質スポットを検出した。画像解析の結果、C1, C2及びTで検出されたタンパク質スポット総数は、それぞれ616個、619個及び625個であった。また、T特異的タンパク質スポットの総数は8個であった。同様に、別のTのサンプルを二次元電気泳動にかけ、ゲルを染色し、T特異的タンパク質スポットをゲルから切り出した。各ゲル片をトリプシンでゲル内消化し、得られたペプチドサンプルを液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析法で分析した。そして、得られたデータをMASCOTソフトウェアを用いてデータベース検索した。その結果、8個のT特異的タンパク質全てを同定することが出来た。これら同定されたタンパク質は、光呼吸代謝、糖代謝及びアスコルビン酸生合成、脂肪酸分解、光合成、光化学系I、防御応答、及び分子シャペロンに関与するものであった。以上の結果から、アゼライン酸処理したシラカンバ幼植物体No.8において、アゼライン酸シグナル伝達経路によって特異的に発現したタンパク質が、全身獲得抵抗性の誘導のために、エネルギー生産及び一次代謝を活性化し、病原体感染や環境的ストレスなどに対する防御機構の準備に関与することが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|