2012 Fiscal Year Annual Research Report
外来木本植物ニワウルシの分布の現状と遺伝マーカーを用いた分布拡大に関する研究
Project/Area Number |
22580157
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齊藤 陽子 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (00302597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井出 雄二 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (90213024)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | ニワウルシ / 分布特性 / 葉緑体DNA / シーケンス / 外来樹木 / 全国スケール / 地域スケール |
Research Abstract |
遺伝分析により全国、地域、林分の各スケールにおけるニワウルシ集団の由来や分布拡大過程について明らかにした。 全国スケールにおいては、北海道から九州までのニワウルシ計18集団について、葉緑体DNAと核DNAを用いた遺伝構造解析を行った。葉緑体DNA解析により2つのハプロタイプが検出され、それらのハプロタイプは日本各地で認められた。核DNAデータを基に行ったクラスター解析から、最適なクラスター数は2と推定され、各個体は葉緑体ハプロタイプごとに異なるクラスターが割り振られた。これらの結果から、異なる2地域に由来するニワウルシが日本に導入され、それらが日本各地に広まったと考えられた。 甲府盆地を対象とした地域スケールの研究では、20集団の葉緑体DNAおよび核DNA解析を行った。その結果、全国で優占していたのと同じ2つのハプロタイプが検出された。また、甲府盆地内のハプロタイプの分布は、地域的な傾向や土地利用による違いはなかった。核DNAのクラスター解析の結果は、クラスター数2が最適となり、全国の結果と同様であった。一方、葉緑体ハプロタイプと核のクラスター間は全国集団とは異なり関連性がなく、甲府盆地では系統の異なる2つの集団が交雑して現在の集団が成立したと考えられた。また、集団内の遺伝的多様性には地域的な傾向や土地利用による違いはなかった。さらに、集団間は遺伝的に有意に異なっている組み合わせが多かったが、地域間、土地利用間では違いが見られず、遺伝的にばらばらの種苗が地域を問わず導入されたと考えられる。 林分スケールでは、山口県周南市の31パッチについて、核および葉緑体DNA解析を行い、栄養繁殖および散布種子による個体群の拡大について調べた。その結果、最大50m程度の栄養繁殖によるジェネットが形成されることや数十m~数百m離れた個体間に血縁関係があることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)