2012 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子多型による森林浴の慢性ストレス軽減効果の個人差の検証
Project/Area Number |
22580161
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森田 恵美 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (60551968)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 森林浴 / 森林散策頻度 / 遺伝子多型 / メンタルヘルス / 大規模一般集団 / セロトニントランスポーター / COMT / BDNF |
Research Abstract |
本研究は、ストレス感受性に関する遺伝子多型を解析し、遺伝的要因により、繰り返しの森林浴による日常の慢性ストレス軽減に差があるのかを検証することを主な目的としている。このため、J-MICC Studyの静岡地区のベースライン調査のデータ・検体(約5000人分)を使用し、以下の検討を行った。 (1)森林散策頻度の地域差の検討:これまで、静岡地区と北海道八雲町(約400人)の森林散策頻度を明らかにしてきているが、更に、名古屋市民約5,000人の森林散策頻度を明らかにした。その結果、森林散策頻度には地域差があり、静岡地区、名古屋市、北海道八雲町の順で高頻度であった。一方、高頻度の森林散策と関連がある要因は、各地区とも共通で、森林散策が好きであることが最も強い要因であった。 (2)遺伝子解析・BDNF遺伝子多型とメンタルヘルスとの関連:うつ病などとの関連も報告されているBDNF (Brain-derived neurotrophic factor: 脳由来神経栄養因子) Val66Metについて、遺伝子解析を行った。本研究では、集団全体では、BDNFとメンタルヘルス不良の割合には有意な関連は認められなかったが、50歳代の男性でのみ有意な関連が認められた。 (3)BDNF遺伝子型別の森林散策頻度とメンタルヘルスとの関連:Met/Met、 Met/Val、Val/Valのいずれの遺伝子型においても、森林散策頻度とメンタルヘルス不良の割合には、有意な関連が認められ、高頻度で森林散策をしている群が、メンタルヘルス不良群の割合が低かった。これらのことから、いずれの遺伝子型でも、高頻度で森林散策を行っていれば、日常のメンタルヘルスが良い状態に保たれている可能性が示唆された。しかしながら、本研究は横断研究であるため、因果関係を検証できない。よって、今後、コホート研究等にて、因果関係を検証する必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(9 results)