2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580163
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堤 大三 京都大学, 防災研究所, 准教授 (40372552)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 斜面崩壊 / 段階的 / 浸透解析 / 安定解析 |
Research Abstract |
段階的に継続して起こる斜面崩壊は、土砂災害において二次的被害を引き起こす危険性が大きい現象であるが、実際に目撃されることが少ないために、これまで見逃されてきた。本研究では、この段階的崩壊現象に関して、降雨浸透・斜面安定解析を適用した数値モデルを開発し、土層の物理特性・斜面の地形特性・降雨特性の観点からその発生メカニズムを明らかにし、土砂災害による人的被害を防ぐための情報を広く提供することを目的とする。 段階的斜面崩壊解析モデルは、複数回に分けて発生する崩壊を表現する必要があるため、一旦安全率Fs = 1.0となった後も、崩壊した土塊を取り除いた新たな斜面形状に計算対象領域を更新して解析を継続するアルゴリズムを作成した。一般に、浸透解析と安定解析はそれぞれ独立に実施するが、計算対象領域が逐次変化していく場合、浸透解析と安定解析を独立に実施する手順では、変化する斜面形状を浸透解析に反映できないため、両解析アルゴリズムを結合して、同時刻の現象を同時に解くように変更した。新たな境界面が生成する場合において、正水圧の土層部分が、崩壊面として大気解放される場合は水圧を0に設定し(その領域からの流出量を計算)、0以下の水圧の場合は、そのままの値を採用する境界条件設定を施した。 このモデルを、実際に段階的崩壊が発生した大分県竹田市の斜面崩壊に適用し、現地調査の結果と比較した。その結果、第1段目の崩壊形状は実際の初期崩壊規模をよく表した。さらに、第2段以降の崩壊の発生も計算された。しかし、実際の崩壊の最終形状と解析された第2段までの崩壊形状を比較すると、解析結果は過小評価であり、モデルに改良の余地は残されている。また、異なる土層強度の複数の土層で実施した人工斜面実験によって得られた段階的崩壊発生機構と解析結果から、土層強度の違いが段階的崩壊発生に大きく影響することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)