2010 Fiscal Year Annual Research Report
短伐期施業で経営される里山林の生物多様性・炭素収支の定量的評価
Project/Area Number |
22580173
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
松本 和馬 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, 室長 (00353863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 幸弘 独立行政法人森林総合研究所, 温暖化対応推進拠点, 拠点長 (90353771)
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Keywords | 地球温暖化ガス排出削減 / モデル化 / 生物多様性 / 昆虫 / 里山 |
Research Abstract |
短伐期採施業林の生物多様性と炭素収支の林齢に伴う変化を明らかにするため調査に着手した。 1.チョウ類とゴミムシ類の多様性を林齢の異なる複数林分で調査した。チョウ類については0年生と1年生、1年生と2年生、2年生と3年生(以上隣接2林分を合併)、8年生、約20年生(林齢未確認)の林分を選定し、4月から10月まで毎月見取り調査を行った。ゴミムシ類については1年(2ヶ所)、2年生、3年生、,8年生、13年生、20年生以上の放置林2ヶ所を対象として調査した。チョウ類、ゴミムシ類とも8年生以上では森林性種中心の群集であったが、3年生以下の幼齢林分に出現した種には草原性種が多く、チョウ類ではツマグロキチョウ、ゴミムシ類ではセアカオサムシ、オオヨツボシゴミムシなどの希少種が含まれていた。 2.コナラ林の皆伐後の萌芽更新あるいは人工植栽後の成長経過ならびに炭素収支をモデル化するため、林齢を異にするコナラ林の個体サイズや林分構造(DBH、樹高、枝下高などの相互関係)を調査した。またバイオマス(葉、枝、幹、根)の推定式を得るため、大径木の伐倒調査を行って各器官重量と個体サイズの依存性を解析するとともにも、樹幹の年輪解析等を行って成長経過の復元を試みた。特にバイオマス推定式と林分構造に関しては、従来報告されている調査データと併せて、汎用性の高い推定式が得られるよう解析・定式化を進めた。また、コナラ林の炭素収支モデルに必要となる微気象データ(温湿度、日射量)の測定を開始した。
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Research Products
(2 results)