2011 Fiscal Year Annual Research Report
短伐期施業で経営される里山林の生物多様性・炭素収支の定量的評価
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22580173
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
松本 和馬 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, 室長 (00353863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 幸弘 独立行政法人森林総合研究所, 温暖化対応推進拠点, 拠点長 (90353771)
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Keywords | 地球温暖化ガス排出削減 / モデル化 / 生物多様性 / 昆虫 / 里山 |
Research Abstract |
林齢に伴うゴミムシ類群集の遷移を明らかにするため、採集調査を継続したが、対象林分の林齢が3年以上となったことを反映して草原性種が減少し、森林性種が多くなった。草原性種と森林性種の識別はこれまで恣意的に決められてきたため、今後の解析に向けて既存のデータから、無立木の耕作地や耕作放棄地、河川敷などの草原的環境と成熟林のゴミムシ類相を比較した。この結果、ナガゴミムシ亜科は森林性種と草原性種の両方を含む、オサムシ亜科は森林性種、生息場所ジェネラリストを含む。アオゴミムシ亜科ゴモクムシ亜科は草原性種が多いが、一部は森林性種である可能性があった。 炭素収支モデル構築に必要なパラメータを得るため、コナラ林の樹高成長を中心に調査・解析を行った。皆伐後2年を経過した切り株からの萌芽樹高は250cm以上に達したが、植栽苗木の平均樹高は約150cmであり、萌芽および植栽木の年平均樹高成長量はそれぞれ103cm、35cmであった。株あたりの萌芽本数は10~30本と多く、今後のコナラ林再生では萌芽が大きく貢献していくであろう。東京・多摩地区のコナラ林で得られた年輪解析によると、成長初期の樹高成長は1~1.5m/年で、その後徐々に低下するが、10年生で樹高は7m、20年生で12m、30年生で16m程度であった。樹冠形状を考慮すると、皆伐御の再生に伴い5-7年生前後で林冠が再閉鎖すると考えられた。那珂川地区における壮齢コナラ林の樹高は20m程度であり、同地区のコナラ林についても生育段階ごとの樹高成長を推定し、バイオマス(炭素)成長モデルを構成していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生物多様性については、昆虫類の林齢に伴う多様性の変化、炭素収支については林齢に伴う炭素収支の定式化を目標としているため、林齢別のデータを蓄積しつつあるが、いずれも順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
林齢別データの蓄積が進んだので、今後生物多様性評価については、未調査林齢の林分でのデータを追加するとともに、解析にも着手する。炭素収支に関してもモデルの構築に向けて解析を進めていく。
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Research Products
(1 results)