2011 Fiscal Year Annual Research Report
過去の土地利用が生態系の炭素、養分の蓄積及び植物の養分利用に与える影響
Project/Area Number |
22580175
|
Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
長谷川 元洋 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, 主任研究員 (70343811)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 透 独立行政法人森林総合研究所, 木曽試験地, 主任研究員 (40353627)
伊藤 江利子 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (20353584)
壁谷 大介 独立行政法人森林総合研究所, 植物生態研究領域, 主任研究員 (30353650)
西山 嘉彦 独立行政法人森林総合研究所, 木曽試験地, 試験地長 (50353800)
齋藤 智之 独立行政法人森林総合研究所, 森林植生研究領域, 主任研究員 (00414483)
|
Keywords | 土地利用 / 土壌 / 養分 / 炭素 / 生態学 |
Research Abstract |
過去の森林からの収奪の歴史及び、草地から森林への転換の生態系に及ぼす影響を解明するために、長野県と山梨県に位置する八ヶ岳南西麓(長野県茅野市、原村、富士見町)を対象にして、明治以降の植生および土地利用の変化を把握することを試みた。昨年度GIS化した地図および、空中写真と古写真、江戸、明治期の古文書、絵地図を基に、対象地域内の土地利用の異なる地点を抽出した。調査地域の土地利用は大まかに以下の4つの区分に分けることができ、それぞれ以下のように調査地を設定した。1)明治初期に森林が成立していた4サイト、2)明治から昭和初期に森林が成立した4サイト、3)昭和初期から第2次大戦以降に森林が成立した4サイト、4)常に草地として維持されてきた5サイト。 各地点において、30mX 30mのコドラートを設置した(但し、4)のうちの3サイトは10m X 90m)。各サイト内にランダムに5ポイントを選び、寒冷紗で作った袋内にろ紙(advantec toyo No.2,直径110mm,0.75-0.80g)を1枚づつ封入したものを2個づつ設置した。ろ紙1枚の乾燥重量は、それぞれ異なるので、72時間60℃で風乾した後、重量を測定し、番号付けすることで重量変化を測定する。6ヶ月後、12ヶ月後に各ポイントより1個づつこれらを回収して各地点のセルロース分解能を測定する予定である。また、各地点の、土壌物理、化学性、炭素及び養分量を測定するために、土壌の採取を開始した。上記の結果に次年度行う植生の調査をあわせることにより、土地利用によって生じたと考えられる土壌、及び植物の養分利用への影響を考察する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、さまざまな土地利用遍歴を持つプロットの設定が完了し、分解速度測定用のろ紙が設置された。また、先行研究の一部成果も発表されつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
各地点の植生、土壌物理化学性の調査を行い、土地利用との関係を考察する。木曽試験地から転勤者もでたが、残ったメンバーによる現地保守及び連絡体制確保があれば、異動したメンバーの年間数回の現地出張にて次年度以降も対応可能と考える。
|