2013 Fiscal Year Annual Research Report
過去の土地利用が生態系の炭素、養分の蓄積及び植物の養分利用に与える影響
Project/Area Number |
22580175
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
長谷川 元洋 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫領域, 主任研究員 (70343811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 智之 独立行政法人森林総合研究所, 東北支所, 主任研究員 (00414483)
伊藤 江利子 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (20353584)
壁谷 大介 独立行政法人森林総合研究所, 植物生態領域, 主任研究員 (30353650)
岡本 透 独立行政法人森林総合研究所, 関西支所, チーム長 (40353627)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 過去の土地利用 / 森林 / 草原 / 窒素濃度 / 土壌断面 |
Research Abstract |
過去の森林からの収奪の歴史及び、草地から森林への転換の生態系に及ぼす影響を解明するために、長野県と山梨県に位置する八ヶ岳南西麓を対象にして、明治以降の植生および土地利用の変化を把握することを目的とした研究を行った。対象地域の地形図、空中写真および古写真を元データとして、地理情報システム(GIS)化して植生と土地利用に関する時系列データを作成した。その結果以下の4つの区分が可能であった。1)明治初期に既に森林が成立(4地点)、2)明治から昭和初期に森林が成立した(4地点)、3)昭和初期から第2次大戦以降に森林が成立した(4地点)、4)常に草地として維持されてきた(5地点)。上記4区分において、土壌断面調査、林冠木および林床植生調査、ろ紙分解試験、カラマツ生葉の窒素濃度の分析(区分1~3のみ)を行った。区分1では黒色土はみられず、全て褐色森林土と区分された。一方、区分2では場所によって異なり、黒色土と褐色森林土の双方が見られた。区分3、4は、ほとんど黒色土であった。黒色土では褐色森林土に比して多くの炭素蓄積があると考えられる。利用履歴の違いは、上層木の種組成・断面積合計等には影響を与えているとはいえないものの、カラマツ生葉の窒素濃度は森林の履歴が長くなるにつれて上昇した。これは草地利用による収奪が終了後、土壌中での窒素プールの蓄積が進んだ結果と考えられた。セルロース分解能の違いを調べるために設置したろ紙を回収した所、設置後1、2年目ともに老齢な林の方が草地よりは分解が早くなる傾向があった。一方、明治以降成立した森林では草地と同程度の分解しか示さない場合もあり、これは、下刈り、間伐などにより林床植生が薄くなったためと思われる。以上の結果から、同調査地における草地から森林への転換は、森林化への時間に伴う土壌特性、分解特性、窒素利用パターンの変化をもたらすことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)