2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580178
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
小藤田 久義 岩手大学, 農学部, 准教授 (40270798)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 縮合型タンニン / 抽出成分 / 生分解 / 担子菌 |
Research Abstract |
縮合型タンニンは植物界に広く分布する高分子ポリフェノールであるが、微生物による分解機構は未だ明らかにされていない。これまでにタンニンを高度に分解する菌株としてシイタケ (Lentinus edodes Is) が選抜されている。本年度は、特にタンニン分解の初発機構の解明を目的として、非標識タンニンもしくは13C標識タンニンモデルを添加した寒天培地上でL.edodes Isの培養を行い、培地中に生じたタンニン分解生成物を分析し、分解過程での構造変化を調べた。 モデル化合物の合成は、Phloroglucinolを出発物質に用いて13C安定同位体炭素 (酢酸) をアシル基として導入したのち、タンニン高分子を既報に準じて調製した。タンニンモデル化合物の生分解処理は、基質を含む寒天培地に本菌を接種し、温度25℃/湿度85%で静置培養して行った。所定期間培養後、培地を回収して凍結乾燥後、70%アセトン水により分解物成分を抽出した。GPC分析では、タンニン由来の高分子ピークの減少とともに新たな低分子ピークが生じた。 この低分子物質を分取・精製してGC-MS分析したところ、プロトカテクアルデヒド、フロログルシノールおよびカテキンと同定された。また、MSスペクトルにおいて非標識および13C標識画分の同位体ピーク存在比に差が認められなかったことから、カテキンは13C安定同位体炭素を含まないTerminal Unit由来であることが示唆された。これらの結果から、培養中に生じたプロトカテクアルデヒド、フロログルシノールおよびカテキンは縮合型タンニン由来の低分子物質であり、構成単位間のインターフラバン結合およびC環の開裂により生成する経路が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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