2011 Fiscal Year Annual Research Report
木材の低速二次元縦切削におけるTypeII切屑の生成機構の解明
Project/Area Number |
22580184
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥村 正悟 京都大学, 農学研究科, 教授 (40109046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 功二 京都大学, 農学研究科, 助教 (00293910)
藤原 裕子 京都大学, 農学研究科, 研究補佐員 (60506088)
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Keywords | 木材 / 切削 / 切屑 / 切削型 / Type II / 動き解析 / マイクロフォーカスX線CT / 画像相関法 |
Research Abstract |
本研究は、木材の低速二次元縦切削において、Type IIと呼ばれる切削型の生成条件・生成機構を明らかにするとともに、良好な仕上面を得るための切削条件を解明することを目的とするものである。 本年度は、昨年度に設計・製作した特注工具(刃先角の異なる替え刃を工具ホルダに装着することにより切削角を30~90°の範囲で10°刻みに設定できる)を用い、スギ、ヒノキ、マカンバ、ホウノキの気乾材(幅5mm、長さ50mm)の柾目面を、切削速度(被削材の送り速度)10mm/s、切込量0.05~0.5mmで縦切削した。その際、動き解析マイクロスコープによって刃先近傍(約3.4×2.6mmの範囲)を毎秒250コマで撮影し、切屑の生成・変形・破壊の状況を記録した。さらに、一部の切屑について、マイクロフォーカスX線CT装置によって切屑内部の微小破壊の状態を観察した。 得られた主要な成果は以下の通り。 1.切屑の変形・破壊、切削抵抗、切屑の縮み率などに基づいて切削型をType 0~IIIに分類し、それぞれの切削型が現れる条件を切込量および切削角の広い範囲について明らかにした。各切削型の現れる条件は樹種ごとに若干異なるが、基本的には既往の知見と一致した。 2.わが国で「縮み型」と呼ばれている切削型にはType IIとIIIが含まれることを明確に示すとともに、両者の境界を提示した。 3.切込量が0.1mm程度以下の場合、切削角の比較的広い範囲においてType IIの切削型が現れることを明らかにした。これは、Type IIが良好な仕上げ面の生成に密接に関係することを示唆するものである。 4.得られた動画に画像相関法を適用し、切れ刃周辺の応力解析を試みた結果、大まかな応力の傾向が把握できることが明らかになった。ただし、解析の精度を上げるためには、動画の撮影条件を吟味する必要があることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
針葉樹、広葉樹各2樹種について、当初予定した切削実験および動画の撮影が完了し、各樹種について、切削型の分類、各切削型の生成条件を明らかにすることができた。また、画像相関法による応力解析についても着手でき、問題点の把握などができた。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調であるため、当初の予定通り研究を進める予定である。
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