2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580201
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松下 吉樹 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科, 准教授 (30372072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
サトイト シリルグレンペレズ 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科, 准教授 (40363478)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 水産学 / 漁業 / 生態系保全 |
Research Abstract |
着底漁業が海底環境に与える影響を評価するために,海底と一体となって海底環境を構成する刺胞動物(いわゆるサンゴ類など)や海綿動物などの固着性生物に注目した。事例研究として長崎県の底曳網漁業,底延縄漁業,底刺網漁業において操業状況と固着性生物の混獲のモニタリングを実施した。 2011年7-11月の間に底曳網漁船2隻と底延縄漁船2隻にGPSロガーとGPS内蔵デジタルカメラを装備し,その間の操業位置と混獲された固着性生物の記録を行った。また,甲板上に長時間記録可能なデジタルビデオカメラを設置して,混獲生物の監視実験も実施した。 いずれの漁業においても花虫綱の生物の混獲が認められ,これらに加えて底びき網漁業ではウミエラ目の生物の混獲が顕著であった。操業データから特定した底びき網が集中的に操業し,かつ固着性生物の混獲が比較的多い海域の海底をサイドスキャンソナーにより調べたところ,この海域の底質は泥から砂地で構成され,各所に天然礁と人工魚礁が点在していることが明らかになった。また,海底には底びき網が通過した跡が確認された。 延縄漁業と底刺網漁業が天然礁が多い海域で操業されることから,花虫綱の生物は海底の天然礁と人工魚礁に生育し,ウミエラ目の生物は平坦な海底にも生育しており,これらの海底を漁具が掃過することで混獲が生じると考えられた。3つの漁業の1日あたりの掃過面積は,底びき網漁業で0.24-0.48 km2 ,底延縄漁業で0.70 km2,底刺網漁業で0.06 km2と見積もられ,底延縄漁業が最大となった。 これらの漁業で使用される漁具の構成(重さや構造)を明らかにし,底刺網漁業については漁具の沈降状況を明らかにするとともに漁業者が意図した位置に設置されていることを確認した。すなわち,底刺網漁業は固着性生物が多く,生物多様性に富むと考えられる海底を狙って操業している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)