2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規脳内成熟制御因子を用いた革新的種苗生産技術の開発
Project/Area Number |
22580204
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
香川 浩彦 宮崎大学, 農学部, 教授 (60169381)
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Keywords | kisspeptin / GPR-54 / ウナギ / ハタ科魚類 / 成熟機構 / 人為催熟 / 種苗生産 |
Research Abstract |
水産有用魚種の養殖や栽培漁業にとって、種苗生産技術はその根幹をなす重要な技術である。しかし、良質の卵や精子をいつでも欲しいときに生産するという養殖業や栽培漁業にとって理想的な種苗生産技術の開発には至っていないのが現状である。そこで、本研究では、水産重要魚種であるウナギやハタ科魚類を用いて良質卵や精子を欲しいときにいつでも生産できる成熟誘起技術を開発することを目的に新規脳内成熟因子(kisspeptinなど)の同定や動態及び生理機能を分子・遺伝子レベルで明らかにするとともに、新たな成熟誘起技術を開発し、いつでも欲しいときに種苗生産できる革新的な技術の開発に資することを目的とする。平成23年度に関しては、以下の実験を行った。 1.カンモンハタのkisspeptinおよびその受容体のクローニング PCR法やRACE法によりcDNAのクローニングを試み、カンモンハタにおいて初めて2種類のキスペプチン(kisspeptin1とkispeptin2)およびその受容体であるGPR-54のクローニングに成功した。 2.カンモンハタのkisspeptinとGPR-54の生理的役割解明 カンモンハタの成熟や性転換におけるkisspeptinとGPR-54の生理的役割を明らかにする目的で、周年サンプリングを行い、kisspeptinとGPR-54の発現解析を行っている。 3.カンモンハタの新規成熟誘起技術の開発 新たに開発した徐放的ホルモン投与方法(オスモティックポンプ法)を用いて、GnRHaを投与し、非産卵期のカンモンハタの成熟誘起に初めて成功した。また、高水温・長日処理により、非産卵期のカンモンハタを成熟誘導することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カンモンハタの実験では、kisspeptinのみならず、その受容体遺伝子まで単離できたことは、計画以上に進展している。一方で、ウナギの実験では、kisppeptinの遺伝子単離が難航している。
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Strategy for Future Research Activity |
カンモンハタの実験に関しては、kisspeptinとその受容体の機能を明らかにするためのサンプリングが終了しており、遺伝子発現測定系を開発して、データを収集する。 ウナギに関しては、kisspeptinに対する抗体(種間で保存された領域に対する抗体)を作成し、免疫組織化学的な解析を通して、その機能を明らかにする。また、カンモンハタで単離されたGPR-54をウナギでも単離し、受容体からkisspeptinの機能を解析する。
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[Presentation] MECHANISM OF OOCYTE MATURATION AND OVULATION, AND ITS APPLICATION TO SEED PRODUCTION IN THE JAPANESE EEL2011
Author(s)
Kagawa, H., Sakurai Y., Kazeto Y., Gen, K., Imaizumi, H., Masuda Y.
Organizer
9th International Symposium Reproductive Biology of Fish
Place of Presentation
Cochin, India(招待講演)
Year and Date
2011-08-10