2012 Fiscal Year Annual Research Report
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22580212
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
田畑 満生 帝京科学大学, こども学部, 教授 (70041853)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 自発摂餌 |
Research Abstract |
本研究は、アニマルウェルフェアの考え方を養魚産業に導入するための基礎研究である。飼育環境下における養魚が発する生理学的・行動学的な要求をアニマルウェルフェア五原則に基づいて評価し、総合的な飼育技術の質的向上を目指すことが目的である。平成24年度は最終年であるため、「恐怖・苦痛の回避」に関する実験を行った。具体的には、①非優占魚や被攻撃魚が退避できるシェルターに関する実験、および②非優占魚や被攻撃魚のストレスを体色変化で測定し、指標としての妥当性について調べた。①に関しては、申請書の計画に記載されていないが、近年、北欧の研究者らにより重要性が指摘されてきたこともあり急遽追加した。 シェルターに関する実験では、各水槽にニジマスとヤマメを混養し、水槽底部にシェルター(塩ビ製円板)を設置したシェルター群5水槽と、シェルターが無いコントロール群5水槽を用いて自発摂餌で飼育した。その結果、摂餌活動(自発摂餌のスイッチ起動回数)と1日当たりの平均摂餌量はシェルター群がコントロール群に比して有意に高い結果が得られた。また、両魚種ともシェルター群はコントロール群に比して有意に体重の増加が認められた。一方、攻撃行動や鰭の損傷に関しては、両群間に有意差が認められなかった。以上のことから、シェルターの設置は非優占魚や被攻撃魚に対する攻撃を回避する効果よりも、摂餌活動を増加させる効果のあることが示唆された。 ニジマスとヤマメを用いた非優占魚および被攻撃個体のストレスを体色変化で測定する実験では、飼育時の静止画像や映像を撮影し、頭部・背部・腹部・尾部の部分的な拡大写真を比較測定した結果、体色変化を指標とすることは汎用性の点で困難であることが分かった。指標として使用するためには、遊泳個体の特定法と容易な追尾撮影、水槽底部での光量改善等が必須条件となることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)