2011 Fiscal Year Annual Research Report
生物行動特性を考慮したクロマグロ沖合型養殖施設の最適デザイン
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22580214
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
高木 力 近畿大学, 農学部, 教授 (80319657)
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Keywords | クロマグロ / 養殖施設 / 沖合養殖 / 魚類行動 / 行動計測 |
Research Abstract |
養殖クロマグロの施設内での三次元行動を計測するため,マルチセンサ型行動記録計のプロトタイプを開発し,これを当歳養成クロマグロに装着しした。当該研究のために新たに開発された3次元行動軌跡を再現する解析アルゴリズムにより,遊泳パスの取得に成功した。養成魚の遊泳パスを観察すると,直径が30m程度の生簀では遊泳生け簀網周辺を周回遊泳する記録が得られたが,直径50mの生簀では生簀網に近づいては転回遊泳する行動がしばしば観察され,個体と閉鎖空間との相対比が施設内の行動に影響を与えていることが示唆された。 環境水温と潮流による生簀網変形が養成魚に与える影響を個体に装着した発信器により評価した。強い潮流により生簀網が吹かれることで養成空間が減少するため,養成魚の遊泳行動がかなり制約されることが明らかになったほか,沖合域での冷水塊の差し込みにより,養成魚がこれを避けるように施設表表層付近で集約的に遊泳することがしばしば観察された。 報告者らが開発した数値シミュレーションシステムを用いて,直径50m型養殖生簀を複数設置した施設全体に作用する荷重を算定し,沖合設置に対応するために生簀網を沈下させた場合の施設の力学的特性を考察した。施設全体に作用する荷重分布はアンカーロープよりも生簀筏枠と側張りを結ぶ係留索に強い荷重が作用し,潮流の上流側で特に顕著となることが明らかとなった。台風等の風浪によるダメージを避けるため沈下させた場合は,筏枠の損壊などは免れるが,浮上時よりも係留索へ2倍程度の荷重増加が認めれることから,浮沈機能を有する場合は特に側張りと生簀筏枠を接続する係留索への破断強度に特に留意する必要がある。 以上の成果は,物理・環境要因が養成魚に与える影響を技術的に評価できることを示すものであり,結果を統合的に整理すれば最適な本種養殖施設の施設デザインについて提示できる目途がたったことを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
力学的評価方法となる数値シミュレーション技術をほぼ完成させた。また,行動計測用の機器や解析アルゴリズムを予定通り当該年度に実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はクロマグロ行動計測実験を検証試験も含めて行う必要がある。行動計測のため個体に装着する技術が必要だが装着個体の生残率向上のため,さらに装着技術の改良やこれに向けた試行実験を充実されていく必要がある。
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Research Products
(8 results)