2012 Fiscal Year Annual Research Report
卵形成を制御しているクルマエビ卵黄形成抑制ホルモンの作用機構の解明
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22580216
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
奥村 卓二 独立行政法人水産総合研究センター, 増養殖研究所, 主幹研究員 (30372030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 剛 神奈川大学, 理学部, 准教授 (10361809)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 甲殻類 / クルマエビ / 内分泌 / 卵黄蓄積 |
Research Abstract |
クルマエビでは、眼柄神経節から分泌される卵黄形成抑制ホルモンが卵巣発達の調節に働いている。そのため、眼柄を除去すると卵黄形成抑制ホルモンの抑制作用が解除されて卵黄蓄積が進む。その際に、様々な遺伝子の発現量が変化すると考えられるが、卵黄タンパク質前駆物質(ビテロジェニン)以外の遺伝子については不明な点が多かった。そこで、未熟な雌クルマエビから両眼柄を切除し、卵巣における遺伝子発現の変化を調べた。 発現解析の対象遺伝子として、データベースに登録されている、代謝関連酵素やシグナル伝達系などの15種類の遺伝子を選んだ。それぞれの遺伝子の塩基配列からプライマーを設計し、リアルタイムPCRにより発現量を測定した。 眼柄除去により発現量が増加した遺伝子は、シトクロムcオキシダーゼとカテプシンCであった。逆に減少した遺伝子は、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ、伸長因子1アルファ、サイクリンBであった。発現量が変化しなかった遺伝子は、グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gs,Gi)、レチノイド X 受容体、エクジソン受容体、グリコーゲンシンターゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ、卵巣リポタンパク質受容体であった。 卵黄蓄積が始まる際には、卵黄形成抑制ホルモンによる抑制作用が解除されてビテロジェニン合成など様々な変化が生じる。今回の実験により、眼柄除去後に卵巣で代謝関連酵素遺伝子とシグナル伝達関連遺伝子の一部の発現量が変化することがわかった。複雑な卵黄蓄積機構の一部を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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