2010 Fiscal Year Annual Research Report
農業労働力激減期における地域農業の人材創出に関する研究
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22580233
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
角田 毅 山形大学, 農学部, 准教授 (60355261)
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Keywords | 集落営農組織 / 新規就農者 / キャリア形成 |
Research Abstract |
本研究の目的は,現在の深刻な後継者不足の解決に向け,近年地域農業の主要な担い手となりつつある集落営農組織等を対象に(1)若者が主体的に就農しうる組織内の条件整備(2)優秀な人材を採用するための方策と円滑な就農を支援するシステムを検討し,地域の内外から優秀な人材を創出するための条件を明らかにすることである.本年はまず,集落営農組織等における営農実態と就農状況について,関係機関に対するヒアリング調査や基礎的な資料収集により概括的な整理を行った.その上で調査対象を選定し(主として山形県,秋田県,宮城県),組織における人材の確保・育成に関わる実態と経営者の意向についての実態調査を行った.その結果,すでに就農者を確保している組織では,その導入段階ではいずれも人材の確保自体は比較的スムーズに行われているものの,どのような人材を確保するか,またどのように育成するかは組織によって差異が確認され,それが就農者の就業意欲や技能形成等に影響を与えていることが示唆された.さらに就農者に対するキャリア形成に関わる調査を行った結果,就業条件が家族経営より整備可能な組織経営の方が若者に志向されやすいこと,また組織における人材育成方針が明確でないと,経営者,管理者への意欲が形成されにくく,作業労働への志向が強まり,就農者自身もそれに満足してしまう傾向があること等,組織内の条件整備を行っていく上での重要な知見が析出された.
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