2011 Fiscal Year Annual Research Report
農業労働力激減期における地域農業の人材創出に関する研究
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22580233
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
角田 毅 山形大学, 農学部, 准教授 (60355261)
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Keywords | 集落営農組織 / 新規就農者 / キャリア形成 / 職務満足度 |
Research Abstract |
1. 若年層の就農意識・ニーズの解明 : 山形県内の全農業高校及び農業大学校学生に対して農業法人への就業意識調査を行い、雇用マッチングにおける課題を分析した。その結果、農業系学生は農業法人を「農業の知識や技術をいかせる場」として高く評価し実際に農業法人への就業意向を持つ者は27.5%にのぼった。一方農業法人に対して「求人情報や事業情報の提供」や「受け入れ態勢の整備」等についてのニーズが高く、これらの条件を早急に整備していくことが若者との雇用マッチングにおける課題であることが明らかになった。 2. 人材創出に向けた集落営農組織等の条件整備の解明:若年就農者の確保に成功している山形県、秋田県の事例(5組織)を対象に,就農者確保に向けた取り組みや課題並びに就農者の就農動機や職務満足度等の分析を通じて人材の確保・育成に向けた条件整備のあり方について分析を行った。その中で最も多くの若者を雇用する秋田県B農場についてとりわけ集約的な調査を実施した。当該組織の分析から若年農業者確保のためには1)若い人材を積極的に雇用することが経営上の最重要課題として認識され、それに見合うための新規事業の導入や事業規模の拡大が図られていること、2)農家出身の従業員は自家農業の空いた時間に当農場の仕事に従事し,非農家出身の従事者は当農場の仕事に専従するなど,比較的自由な就業形態が認められていること、3)若者同士のネットワークを通じて積極的なリクルートメントが行われていること、の3点が重要であるとの結論が得られ、これらの点は今後他の組織での戦略を構築する際に極めて重要なポイントであると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
若年層の就農意識・ニーズの解明及び人材創出に向けた集落営農組織等の条件整備の解明について東北地域の事例研究を中心に当初の計画通り順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度前半において事例研究を集約的に行いデータの集積の完了を目指し、その分析結果を学会の分科会で報告する。そこでの検討結果を踏まえて適宜補足調査、追加的な分析を加えつつ研究成果を取りまとめる。
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