2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580237
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
茂野 隆一 筑波大学, 生命環境系, 教授 (60292512)
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Keywords | 農業金融 / 畜産経営 / ABL |
Research Abstract |
今年度は主に下記2点について研究を行った。 1)動産担保融資の農業融資における位置づけの把握 今年度は農業外にも対象を拡げ,動産担保融資導入の経緯,制度上の問題点,運営上の課題について主に文献によりサーベイを行った.また,数県の畜産協会担当者に対してヒヤリングを行い,動産担保融資導入のための前提条件,制度上の課題,関係機関との協力体制,動産担保導入のメリット等について,聞き取り調査を行い,畜産経営に動産担保を導入するための課題について考察を行った. 2)動産担保融資の実態の把握 主に大規模畜産農家において,動産担保融資の導入可能性についてヒヤリングによる実態調査を実施する予定であったが,大震災の影響で充分な調査を行うことができなかった.しかし,北海道,九州の酪農を中心とするいくつかの経営体について調査を行うとともに,農協,金融機関等においてもあわせて実態調査を実施した.その結果,大規模畜産経営においては従来型の運転資金供給では不十分な部分があり,動産担保融資に対して一定のニーズが存在することが明らかになった.しかし,動産担保を導入するためには,経営体側においては経営管理体制の整備,金融機関側においては期中管理,担保評価・審査体制,デフォルト後のバックアップ体制等の様々な克服すべき課題があることが存在することが明らかとなった.また,すでに畜産経営において動産担保融資を実施している事例において,担保評価の実際について聴き取りを行い,課題について考察した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究においては,畜産経営をはじめとする農業経営体に対するヒヤリング調査が不可欠であるが,22年度は口蹄疫,23年度は東日本大震災の影響で充分な調査が実施できなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は最終年度にあたるため,これまでの調査結果をとりまとめるとともに,22,23年度に実施できなかった実態調査の補完調査を行う.それらの結果を,学会において報告し,書籍・学会誌等で報告する予定である.
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Research Products
(3 results)