2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580239
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
山崎 亮一 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10305906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細山 隆夫 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 上席研究員 (50526944)
加藤 光一 信州大学, 農学部, 教授 (60244836)
新井 祥穂 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (40345062)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 不況 / 農業構造 / 失業 / セーフティーネット / 雇用創出 / リーマンショック / 地域労働市場 / 食料・農業・農村基本法 |
Research Abstract |
日本経済は1980年代を転換期としながら、それまでの農家労働力に依存しながら資本蓄積を行う農家労働力依存型から、景気循環の局面に応じて失業者の創出と吸引を行い、その基礎上で資本蓄積を行う失業者依存型へと転じた。 本研究の対象地の一つである長野県・上伊那郡・宮田村では、比較的良好な農外就業の地域労働市場条件のもとにあると言われながらも、リーマンショック後の不況下では、農家構成員に失業状態の者がいた。これは90年代初めのバブル崩壊後の不況期には見られなかったことで、ここに型の移行にともなう新たな状況の顕在化を見て取ることができた。そして、農業・農村政策的には、1999年の新基本法のもと、失業者が創出される不況局面で、農業・農村で雇用吸収力を高めてそれを一定吸収するセーフティーネット機能が期待されている。確かに宮田村でも、年金の受給開始年齢の段階的切り上げとともに高齢者の就業率が高まり、そうした老後の就業先として農業が選択されるケースがあったが、その一方で、農家にいる、失業状態、あるいは半失業状態にある青壮年労働力を吸引する受け皿として、農業は十分に機能しているとは言い難かった。これは、農家の就業構造や農業構造の展開には「慣性」とでも表現すべきものが働いていて、いったん展開の方向が定まってしまうと、それは短期的にはなかなか変わらない、ということである。失業者依存型の経済は、農家に、労働力の出し手(好況局面)と受け手(不況局面)という矛盾した役割を押し付けるが、この矛盾は、宮田村の農家では、今のところ、労働力の出し手の側面が優越する形で「解決」されていた。 そして、より劣悪な農外就業の地域労働市場条件のもとにある北海道・岩見沢市や岩手県・北上市の調査地では、不況下には、農家がこのような農外就業へと傾斜することは困難で、農業振興がよりいっそう切望されているのである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)