2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580240
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
櫻井 武司 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40343769)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2014-03-31
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Keywords | 国際農業 / サブサハラ・アフリカ / 農業生産性 / ガーナ / 稲作 / メイズ / 家計調査 / パネルデータ |
Research Abstract |
本研究はガーナの内陸にある大都市クマシの周辺の4か村で平成12-平成13年に実施した農家家計調査の再調査を実施し、10年間の経済成長が稲作やメイズ作の生産技術に及ぼした影響を明らかにすることが目的である。平成22年度に4か村のセンサスを実施し、平成23年度の収穫後から家計調査を行った。平成24年度は、家計調査データの入力し、不十分な部分については追加調査を実施して、データセットを完成させた。 平成12-平成13年の時点では、稲作はメイズ作と比べて多くの労働を要求するため、自家労働の費用も含めて利潤を比較すると、稲作の利潤はメイズ作の利潤よりも低く、しかもマイナスであった。それがクマシ周辺で稲作が拡大しない原因であった。しかし、10年後の平成22-平成23年には、稲作の利潤がメイズ作を上回るようになっている。10年間で稲作面積が拡大したわけではないが、面積は減少せず、コメ生産の集約化が進んでいる。すなわち、休閑がなくなり連続栽培が常態化し、改良品種、化学肥料、除草剤の利用が普及した。ポータブルポンプを使った補助灌漑を採用する農民もいる。これは、過去10年間にわたるガーナの順調な経済発展により食用需要が増大したこと、および平成20年以降の国際的な食料価格の高騰が原因と考えられるが、原因の特定は今後の課題である。 当初の計画では、平成24年度における調査データの取りまとめを受けて、平成25年度には論文を執筆することとしていた。しかし、調査データの取りまとめ過程で、ガーナの稲作の課題が、生産技術よりも収穫後処理や販売戦略にあることが明らかとなったため、平成24年度で本研究課題は終了し、平成25年度からはアフリカのコメ市場を研究課題とする新規の研究課題に発展的に吸収することにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)