2011 Fiscal Year Annual Research Report
国際食料産業クラスター戦略による食料安全保障と持続可能な農業開発へのアプローチ
Project/Area Number |
22580241
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木南 莉莉 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40272132)
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Keywords | 協調優位 / 知識創造 / イノベーション / ネットワーク分析 / 新産業創出 / 健康・機能性食品 / 北東アジア / フランス |
Research Abstract |
本研究は国際食料産業クラスター戦略によって、食料安全保障と持続可能な農業農村開発を実現するための理論的・実証的研究を行うものであり、平成23年度の研究実績の概要は以下の通りである。 理論面においては、国際食料産業クラスター戦略の理論的な分析枠組みを、イノベーション、ネットワーク、ナレッジマネジメントの側面から拡充した。また、国際フードシステムの視点から国際的な知識創造のメカニズムを提示した。 実証分析の面では、多様な主体の連携による知識創造を通じたイノベーションの誘発効果を重視した分析を展開した。具体的には、1)フランスにおける食料産業クラスターについて、フランス・ナント市に研究滞在し、食料産業クラスターのコア機関である国立農学研究所(LERECO,INR Angers-Nantes), ESA、ESCP Europe、パリ国立高等鉱業学校などにおけるヒアリング、研究交流、セミナーを実施するとともに、食料産業クラスター戦略の実態を分析し、その効果と課題を明らかにした。2)新潟県における食料産業クラスターについて、健康ビジネス連峰を対象とした食料産業クラスターの実態を明らかにするとともに、理論モデルを応用してネットワーク構造およびパフォーマンスとの関係を解明した。3)東アジアにおける食料クラスターについて、食品産業の国際分業と直接投資、農業・農村におけるナレッジマネジメント、主体間協調行動、人的資源管理などの実証分析を、統計解析、実態調査に基づいて実施した。その他、食料産業におけるイノベーションに関する因果関係の解明および非計量的言語情報の利用を可能とする分析手法として、SEMとテキストマイニングを導入し、定量的実証分析の予備的分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成22年度及び平成23年度においてフランス国立農学研究所から計3ヶ月間の招へいを受けたため、予想以上の研究成果が得られた。研究成果をまとめた単行本の出版計画は最終年度に予定していたが、既に22年度で達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策として、クラスターの「地域性」に重点を置いた研究を行う。また、持続可能性の視点からも「環境性」に重点を置いた研究を行うとともに、「経済性」「社会性」との競合・補完関係についての分析を行い、同時にそれらと「地域性」との関係を明らかにする。 得られた結果を基に、農村開発戦略と食料安全保障政策に関する政策提言を取りまとめる。 さらに、研究成果は随時国内外の学会において発表し、英文国際誌への論文投稿を行う。最終年度にあたり、これまでの研究成果をまとめ、「国際産業クラスター論」の体系化を試み、英文単行本の出版を目指す。
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[Presentation] 食の安全保障2011
Author(s)
木南莉莉
Organizer
第63回日米学生会議「安全保障と日米」分科会
Place of Presentation
新潟大学農学部(招待講演)
Year and Date
2011-08-03
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