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2011 Fiscal Year Annual Research Report

日本農業の存在意義を問うための新たな枠組みと政策分析

Research Project

Project/Area Number 22580248
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

草苅 仁  神戸大学, 農学研究科, 教授 (40312863)

Keywords農業 / 環境 / 公共財
Research Abstract

本研究の目的は、農業部門を食料(私的財)と環境や景観がもたらす便益(公共財)を同時に供給する産業であると捉えて、従来の自由貿易論」や「環境評価手法」に依拠することなく、新たな視点から日本農業の存在意義を問うための政策分析を行うことである。そのために、食料と環境財の供給がもたらす得失を共通の土壌で全体的に評価するための新たな枠組みを開発することである.
平成23年度は次年度の実証分析に先立って、モデルの動作を確認するため、主に以下の3点を実施した。
(1)はじめに、私的財と公共財の配分モデルの動作をチェックするための仮想計算を行なった。動作チェックは、外生変数や各種のパラメータを変化させた場含の均衡の動きが、理論と整合しているかどうかを検討することが基本である。例えば、私的財と公共財の結合生産物を供給する農業部門については、私的財と公共財の、それぞれの生産効率パラメータ、補助金の値、合意コストのパラメータなどを変化させた場合の均衡の動きを考察し、考察結果について、意見交換を含む検討を繰り返すことで、動作確認を行った.
(2)家計部門では、税金を環境税に特定した場合と、目的税ではなく、使途を特定しない一般税の場合の効果の違いや、所得補填ではなく生産資源を直接補填したときの効果、あるいは輪入食料と国産食料の品質格差(国産プレミアム)を表すパラメータの影響などを検討対象とした.また、政府については、単なるエージェントとしての小さな政府と、最善解に導くためのガバナンスを有する大きな政府の二通りを想定した.
(3) (1)と(2)で配分モデルの整合性を確認した後、外生変数やパラメータを変化させた場合の比較静学分析を実施した。
この時点で、ここまでの成果について意見交換を行い、比較静学の意味について確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

計画に沿って作業を進める経過で、想定どおりにモデルが動作せずに時間を要した部分もあったが、全体的には、ほぼ予定の作業を年度内に遂行することができたため。

Strategy for Future Research Activity

次年度は最終年度であるため、(1)政策シナリオの作成、(2)実証分析、(3)研究成果の取りまとめを行う予定である。(1)政策シナリオの作成は、配分モデルに現実的な意味づけを体現させるための、外生変数とパラメータのセットのことであり、本研究が(2)実証分析で意味のある政策的インプリケーションを導出できるかどうかを決める重要部分である。本年度の理論分析で確認したモデルの特徴や制約を十分にふまえて,現実妥当的なシナリオと実験的なシナリオを作成して、(2)実証分析で政策的インプリケーションを導出し、(3)研究成果を取りまとめる予定である。

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Published: 2013-06-26  

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