2011 Fiscal Year Annual Research Report
農業における住民参加型地理情報システムの構築に関する実践的研究
Project/Area Number |
22580263
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
鈴木 充夫 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (30206536)
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Keywords | GIS / 農業GIS / 農地流動化 / 地理情報システム / 農業委員会 / 住民参加型GIS |
Research Abstract |
今年度はGISの変更作業を効率化するために、(1)GIS上で圃場を管理するための方法と(2)GIS上での圃場管理のために共通key(共通項目)を設定する方法について明らかにした。(1)はGIS上で大字毎に圃場を振り分けることで、一枚の地図上で管理する場合に比べて検索速度の向上及び管理が容易になることを示した。(2)はこれまでの「地名地番」をkey項目とする方法では作業効率が悪いことを確認したので、ポリゴンデータと共済組合台帳の共通項目として新しく独立した共通key番号(管理番号)を設定することが重要であることを明らかにした。 また、JA等がGISを構築・普及するための基本的な考え方を整理した。具体的は、まず、GISをJA独自で開発するか、農業委員会、水土里ネットなどの他機関のGISを利用するかを決定する。GISをJA独自で開発する場合には(1)ベースマップとして字切図か衛星画像(航空写真)のどちらかを選択する。(2)ポリゴンデータの作成を外注する。(3)JA内に設置した組織(農民参加型GIS)でポリゴンデータと共済組合台帳、及び、生産履歴データとのマッチングを行う。他の機関のGISを利用する場合には、(4)GIS関連データの共同利用に関する協定書を関連機関と結ぶ。(5)現地(JA内)に設置した組織(農民参加型GIS)で更新作業を行う。 次に、(2)ポリゴンデータ作成を外注するために、ベトナムハノイ農業大学の協力を得て、字切り図(会津坂下町)と衛星画像(UK-DMC)をベースマップとした圃場ポリゴンデータの作成を依頼した。その結果、ハノイ農業大学作成のSHAPファイルは適正に作られていることが確認され、JAなどの利用者側にとって、経費が削減できる可能性が示された。また、(4)GIS関連データの共同利用に関する協定書については、JA中条の利用を想定し、胎内市と東京農業大学鈴木研究室の間で農業GISについて協定書のひな形作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本課題に対して、JA山形おきたまのGIS構築、更新を通してポリゴンデータの作成は、現地の農家やJAでは技術的、コスト的に難しいことが確認できた。その結果、東京農大の姉妹校であるハノイ農業大学の協力を得てポリゴンデータ作成の実証試験を行った。その結果、ハノイ農業大学の作成したポリゴンデータは、十分利用に耐えうる精度であることが確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、2年間かけて明らかにしたGISの普及を実現するために、 (1)平成23年度に示したポリゴンデータと共済組合台帳の共通項目をJA山形おきたま管内の吉島地区のGISを対象に設定し、更新作業の効率化を図る。 (2)(現地)JAに設置した組織(農民参加型GIS)でポリゴンデータと共済組合台帳とのマッチングを実施する。 (3)住民参加型GISのマニュアルを作成する。
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Research Products
(3 results)