2010 Fiscal Year Annual Research Report
3次元ライダーによる農業水利施設の機能モニタリング
Project/Area Number |
22580270
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
細井 文樹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (80526468)
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Keywords | 可搬型3次元ライダー / 3次元モデル / GPS / ため池 / 貯水量 |
Research Abstract |
兵庫県のため池を対象とし、可搬型3次元ライダーによる計測を行った。まず、ため池の水抜きを行い、底面が完全に露出する状態にした。次にため池の周囲を取り囲む複数の位置に計測点を設置し、可搬型3次元ライダーによる3次元計測を行った。その際、後のレジストレーション(位置合わせ)の目印になるよう、ため池周辺に杭を打ち込み、ため池の3次元画像にこれら杭が入りこむようにした。ライダー計測位置の緯度・経度をRTK-GPSで測定しておき、後に絶対座標系にも対応できるようにした。得られた3次元点群データは、それぞれが独立した座標系をもっていたため、一つの共通座標系になるようレジストレーション(位置合わせ)を行った。得られたため池の3次元点群データの視認性をあげ、解析をよりしやすくするために、点群データの各点を三角形で結んでメソシュ化し、サーフェスを生成するポリゴン化処理を施した。この処理により、ため池の崩落個所や澪筋なども容易に識別できるほど精緻な3次元モデルが生成された。また、ため池周辺の樹林帯に覆われた地表面に、可搬型3次元ライダーのレーザービームが届いていたため、樹林帯の下の目視することができない地表面まで、3次元モデルとして再現することができた。ポリゴン化後のため池の3次元モデルをもとに、貯水量の算出を試みた。ある水位の仮想水面を設定し、この状態でため池各部の垂直断面を抽出し、それぞれの垂直断面に占める水の面積を計算し、それを水平方向に積算することで、水の体積、すなわち貯水量を計算した。この方法では任意の水位の貯水量が算出でき、その結果、対象としたため池の貯水量は水位1m、2m、3mでそれぞれ445m^3、1216m^3、2141m^3であった。
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Research Products
(3 results)