2011 Fiscal Year Annual Research Report
3次元ライダーによる農業水利施設の機能モニタリング
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22580270
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
細井 文樹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (80526468)
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Keywords | 可搬型3次元ライダー / 3次元モデル / ため池 / 貯水量 / ネットワークシステム |
Research Abstract |
前年度に引き続き、ため池の可搬型3次元ライダーによる現況構造計測とそのデータからの3Dモデリングの検討、貯水量算出プログラムの作成、ネットワークカメラ等を用いた遠隔水位モニタリングのための予備実験を行った。可搬型3次元ライダーの計測地点の数やライダーからため池までの距離によって、得られるため池の3次元点群データの密度が異なったため、3Dモデリング時に行うポリゴン化処理時にポリゴンの数を増やし、その後のスムージング処理においてより滑らかな3次元曲面が形成されるようにし、実際の地形を忠実に再現できるようにした。これにより、ため池の構造計測、及び3Dモデリングについてはめどがついた。 貯水量の算出プログラムついては、離散化誤差の影響を少なくするため、実際のライダーのスキャン間隔とデータの点群間隔を精査し、計算速度、計算機のメモリ量、離散化による誤差がバランスする離散化条件を見出した。これにより、貯水量算出プログラムについても一応のめどがついた。 ネットワークカメラ等を用いた遠隔水位モニタリングについては、予備実験として、実際に3G及びモバイルWiMAX方式のWiFiモバイルルーターを用い、東京大学に比較的近くアクセスの容易なエリアにてネットワーク機器によるデータ通信の検証実験を行った。この実験により、データ量の大きい画像信号の送受信と、機器の遠隔操作信号の送受信では必要な通信速度が異なり、必要とされるネットワークシステムの仕様が異なっていた。これにより、データの種類に応じ、必要とされるシステム仕様の明確がなされた。また、ため池が多い郊外エリアで通信可能エリアの確認も行い、郊外では通信圏外になってしまう、給電が難しいなど、現場でのネットワークシステム運用の課題もより明確化された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である(1)可搬型3次元ライダーによる現況構造計測、(2)ライダーデータに基づく貯水量算出プログラムの作成、(3)ネットワークカメラ等を用いた遠隔水位モニタリングのための予備実験まですでに達成されており、あとは現場での無線機器を使ったモニタリングを残すのみであるため。
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Strategy for Future Research Activity |
可搬型3次元ライダーによる現況構造の計測については、ため池に隣接した樹木に覆われた部分や水田領域についても対象にする。こうしため池周辺領域には、生態系維持等のため池の多面的機能を測る上で重要となる情報が含まれているためである。こうした領域の地表面計測は従来、困難であったが、ライダーのレーザービームを地表面まで貫通させ、地表面の情報を取ることでぐため池の周辺部も含めた3Dモデルの構築方法を検討する。昨年までで貯水量算出プログラムの検討はめどがついたため、このプログラムを用いながら、引き続き貯水量変動の遠隔モニタリング手法の検証を行う。本年度は実際のため池が存在する郊外のエリアにて、無線ブロードバンドに対応したネットワーク機器を設置し、無線による機器の遠隔操作、データの取得の検証を行い、その問題点の把握やデータ取得のノウハウを確立していく。
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Research Products
(3 results)