2010 Fiscal Year Annual Research Report
大規模稲作経営体成立のための水田整備に関する国際比較研究
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22580272
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
石井 敦 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (90222926)
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Keywords | 巨大区画水田 / 圃場整備 / 大規模稲作経営 / 集落営農 / オーストラリア農業 |
Research Abstract |
本研究の目的は、外国の大規模稲作経営および水田区画形態の実態分析を行い、日本における大規模稲作経営および巨大区画水田整備の可能性について検証することである。1年目の本年度は、オーストラリアのリベリナ地方の大規模稲作経営体および灌漑管理会社、稲作生産者組合等を対象に、現地調査を行った。 結果、オーストラリアの大規模稲作経営体は、稲作面積では1人あたり60~80ha程度の経営を行っていること、区画規模は5ha程度で、アメリカの数十ha区画と比べ小さく、この程度であれば日本でも創出実現の可能性があることが明らかになった。 また、灌漑用水の制約および労働配分上の制約から、水稲以外に麦、牧草等を組み込む複合経営となっているが、収益性ではコメがもっとも高く、あくまで水稲中心の複合農作業体型をとっていること、5ha区画でもそれが連担した農地となっていて、田越し灌漑を組み込むことで水路を減らし、水田整備費用を極めて少なく抑えていることがわかった。 日本においても大規模稲作経営体および大区画水田の調査を行い、特に環境保全型農業については、区画の大規模化は作業効率の向上から、むしろ取り組みやすくなっていること等がわかった。
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