2010 Fiscal Year Annual Research Report
地球統計学でダウンスケールされた超高解像度GCMでの流域農地環境将来評価法開発
Project/Area Number |
22580273
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浜口 俊雄 京都大学, 防災研究所, 助教 (90263128)
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Keywords | 超高解像度GCM出力 / 流域農地環境評価 / ダウンスケーリング / 地球統計学 / 水文シミュレーション / モデルバイアス / 流出解析 / 空間分布 |
Research Abstract |
文科省21世紀気候変動革新プログラムによって現在検討されている自然災害分野の影響評価に関して,次期IPCC採用を目指している空間解像度約20km格子の超高解像度GCM出力(気象研究所が地球シミュレータで計算)を利用し,流出解析に必要なGCMの生データ(20テラバイト)の入手・整理を行いながら,そのデータに合わせた解析プログラムを作成した.さらに,その20km格子のGCM出力値を,地表の気象・水文観測データを基にして流出解析で用いる計算格子(50m~10kmの範囲で選択した任意サイズの格子)に合うように地球統計学を利用して空間的なダウンスケール処理とモデルバイアスの補正処理を自動で行うシステムを当該年度設備品「超高解像度GCM仕様ダウンスケーリングシステム」上に導入した.その詳細は以下のようである.まず,本システム構築に用いるプログラムは研究代表者がFORTRAN言語で作成し,ライブラリルーチンは既製品ソフトウェアを購入した.次にシステムを自動化できるようにプログラムを発展させて,連続的かつ高速に処理されるように修正した.このシステムで算出された全球の各地域データ群が個々に巨大で,かつ,膨大な量(日本だけでも数テラバイト)になることは避けられないため,それらを蓄積させる大容量データストレージを自作で用意し,上記備品に接続した.本研究の成果である補正データ利用の第一歩として,解析のダウンスケールされたGCM出力による気象データの空間分布再現精度を検証するため,観測データの乏しい流域を考えることにした.ここでは利用効果が顕著に表れることを期待して,日本流域でなくベトナム・ホン川流域を対象とした.そこでの解析結果から,本システムでの補正降水量・気温出力データの空間分布を流出解析の入力値として用いることの有効性が明らかとなり,流出解析精度を向上させ得る可能性を示すことができた.
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Research Products
(16 results)