2012 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム中部におけるダム建設が河川およびラグーン水質に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
22580274
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
前田 守弘 岡山大学, 環境管理センター, 准教授 (00355546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近森 秀高 岡山大学, その他の研究科, 教授 (40217229)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 窒素 / リン / ラグーン / 河川 / ダム / ベトナム / 農業 / 都市化 |
Research Abstract |
ベトナム中部に位置するテュア・ティエン・フエ省は,フエ市を中心に農業近代化,都市化が急速に進行している.同省最大河川のフォーン川はラオス側山岳地帯から太平洋沿いのタムジャンラグーンに向かって注いでおり,上流では洪水調節,水力発電,灌漑等を目的とした大規模ダム建設が進んでいる.本年度は,各地域における土地利用等の統計資料を収集するとともに,フォーン川の河川水位の観測および水質モニタリングを継続して行った.また,前年度開発した水文流出モデルと水質モニタリングの結果を用いて,栄養塩流出モデルを開発した. フォーン川水系の水質調査では,観測時期によらず,市街地支流の窒素,リン濃度が高いことがわかった.また,農業の盛んなラグーン周辺下流域では地下水のアンモニア態窒素濃度が高いことがわかったが,その原因は明確ではなかった. タンクモデルを用いた無機態窒素負荷量の季節的変化の推定手法について,フォーン川流域における雨量データと新たに入手した水位観測データとを用いて,水位−流量曲線とタンクモデルのパラメータとを微分進化法を用いて同時に同定することにより,流量の推定精度を改善する手法を考案した.この手法は,流量データの入手が難しい流域において流量を再現するための有用な手法として期待される.なお,この計算流量を用いて,昨年度と同様に無機態窒素負荷量の季節的変化を推定し,市街地から流出する無機態窒素がフォーン川の水質に与える影響を定量的に評価した. 以上のように,フォーン川流域では,市街地および農地由来の栄養塩負荷が水質に大きな影響を及ぼすことがわかった.一方,同流域内のダムは建設が継続しており,完成後の影響を継続して調査する必要がある. 平成24年11月11日に,フエ市内において現地研究協力者と共同でワークショップを主催し,5件の関連研究について口頭発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)