2011 Fiscal Year Annual Research Report
水田魚道を含んだ広域的な水田水利システムにおける流れと魚類行動のモデリング
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22580276
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
藤原 正幸 愛媛大学, 農学部, 教授 (40253322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河地 利彦 京都大学, 農学研究科, 教授 (50026564)
泉 智揮 愛媛大学, 農学部, 助教 (40574372)
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Keywords | 環境調和型農林水産業 / 生態系修復・整備 / 水工水理学 / 農業工学 / 水循環 |
Research Abstract |
本研究では,水田魚道を組み込んだ水田水利システム(河川-頭首工-農業用水路-水田-水田魚道-排水路-河川)の一連の水理構造とそこでの魚類の行動を予測する数値モデルの開発を目的としている. 本年度(平成23年度)は,昨年度開発した流況シミュレーションモデルにより計算した流れを用いて,魚の行動を予測するモデル化に取り組んだ.魚類行動のモデル化は,ニュートンの運動方程式を基本とし,流れの抵抗力と流れに対して泳ぐ力(巡航速度で泳ぐための推進力と突進速度で泳ぐための推進力との切り替えを可能とした.)の合力により,魚の加速度が決まり,その加速度を2回積分することにより魚の位置を計算するモデルである. モデルには,魚の生物的な不規則な動きを再現するため,確率モデルを組み込み,1匹1匹が異なる動きをするようにした.基本的には魚の進む方向は流線を中心としてばらつきを持たすようにしており,流れが速い状態では,そのばらつきが少なく,流れが遅いところではそのばらつきを大きくして,自由に泳げるようにしている. 現時点でのプログラム上の問題点は,魚が隅角部に移動すると,計算の時間間隔によっては,魚が物体の中に入ってしまうような計算結果が出てきてしまうことである.このような場合の自然な回避方法を現在研究している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究1年目で流況シミュレーションモデルを,2年目で魚類の行動モデルを開発しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
京都大学のスーパーコンピューターを使用しているが,流れの計算に非常に時間がかかるので,たくさんのケースを計算して,それらについて検討するということは難しい.
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Research Products
(1 results)