2012 Fiscal Year Annual Research Report
水田魚道を含んだ広域的な水田水利システムにおける流れと魚類行動のモデリング
Project/Area Number |
22580276
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 正幸 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40253322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 智揮 愛媛大学, 農学部, 助教 (40574372)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 魚道 / 水田水利システム / 数値流体力学 / 魚類の挙動 / Roeスキーム / 有限体積法 / 四分木格子 |
Research Abstract |
本研究の対象とした領域はシンプルな形状ではあるが,水田水利システム全体を水平二次元浅水流モデルで計算した最初の研究である.水田水利システム全体とは,河川-幹線用水路-支線用水路-水田-支線排水路-幹線排水路-河川である.魚類は水路壁面境界付近の低流速部を利用して遡上する特性があることから,魚類の遡上を対象として計算する場合,一次元モデルで計算される平均流速では適切な評価ができず,水平二次元モデルが不可欠となる.特に,『魚道』における流れは二次元モデルあるいは三次元モデルでの再現が必要となる.本研究の対象領域には,河川の頭首工に付設されているバーティカルスロット式魚道と,水田と排水路を接続する水田魚道(導流壁型)が含まれる. 流水モデルは水平二次元浅水流方程式を基礎方程式として,Quadtree格子を用いて有限体積法により離散化したモデルである.移流項はRoeスキーム,時間積分は四次精度Runge-Kutta法を用いた.計算結果では,頭首工の魚道の流れに関しては,常識的な結果を得ることができたが,水田魚道に関しては最大流速が2cm/s以下となり,魚道の勾配から考えると遅すぎる感があり,更なる検討の余地があると考えている. 魚類行動モデルは,流水抵抗と魚の推進力の合力により,魚が運動する力学モデルを採用した.推進力は,巡航速度で泳ぐ場合と突進速度で泳ぐ場合の二種類を採用した.また,それぞれの魚の挙動は確率過程にあるとして,推進力の方向は流線を遡上する方向を中心に正規分布するようにモデル化した.シミュレーション結果では,体長が大きくなるにつれ,遡上数が多くなることや遡上に要する時間が短くなること,推進力の向きの標準偏差が大きくなるにつれ,遡上数が少なくなることや遡上に要する時間が長くなることなどが示された.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)