2013 Fiscal Year Annual Research Report
気候変動下における水田依存性トンボ類の保全に向けた灌漑システムの開発
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22580278
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
神宮字 寛 宮城大学, 食産業学部, 准教授 (10299779)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | アキアカネ / 中干し / 発育ゼロ点 / 有効積算温量 / 水稲栽培管理 / 孵化 / 齢数 / 取水日 |
Research Abstract |
農村で一般的にみられてきたアキアカネは減少傾向にあるが、その原因として様々な要因が挙げられている。その中で中干しも要因の一つとして挙げられている(上田 1998)。一方でアキアカネ幼虫は10齢まで成長すると乾燥への耐性が高まることが示されており(先崎ら 2013) 、中干しは水稲を行う上で重要な農法であるが、幼虫が10齢に達するまで延期することでアキアカネ保全に大いに有効であると考えられる。 本研究ではアキアカネとノシメトンボの死亡率、成長速度、発育ゼロ点および有効積算温度を室内実験によって明らかにし、この結果をもとに宮城県の各地域におけるアキアカネ・ノシメトンボの10齢到達日を推定した。 アキアカネの孵化必要日数は4.71日から7.27日の間となった。孵化予測日は5月3日から5月12日の範囲にあり、宮城県内14地域で最も早い5月3日となり、柴田郡村田町が5月12日と最も遅くなった。孵化予測日が5月10日以降となった地域は7地域であった。 本研究のデータを用いて算出したアキアカネの10齢到達必要日数は72.29日から76.70日の間となった。10齢到達予測日は7月17日から7月23日の範囲にあり、6地域で最も速い7月17日となり、柴田郡村田町が7月24日と最も遅くなった。10齢到達予測日の前後は、地域間で水温の高低による必要日数の差は若干見られるものの、やはり取水日の影響を受けたと考えられる。 本研究の結果から、7月中旬以降の中干しがアキアカネ保全に有効だと考えられた。取水日が遅い地域では7月下旬頃まで中干しを延期することも重要だと考えられる。現在行われている慣行の中干しは6月下旬から7月上旬にかけて行うのが一般的であり、10~20日程度の延期でアキアカネ保全に効果があるものだと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)