2010 Fiscal Year Annual Research Report
川と地域の関わりを未来に継承する固定堰の親水利用による保全活用策の研究
Project/Area Number |
22580279
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
村上 修一 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (60283652)
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Keywords | 地域計画 / 景観 / 文化的景観 / 保全 / 親水 |
Research Abstract |
川と地域の関わりを表象する固定堰をいかに未来へ継承するか、その保全活用のあり方を探ることが研究の全体構想である。その中で本研究では親水性に着目し、1)国内に現存する固定堰について親水利用の可能性を検証し、2)堰の維持管理に係る諸問題において親水利用の位置づけを把握するとともに、3)堰に対する地域住民の親水行動の実態と意識を明らかにし、4)住民の親水行動をとおした日常的な関わりを尊重する保全活用の可能性と方向性について考究し、その具体的な方策の提言を目的とする。 今年度は、既往研究および所管省庁や地方自治体のデータベース等より抽出した、全国80水系余における約300例の固定堰について、空間特性に由来する親水利用の可能性を検証するため、現地踏査および簡易測量を実施した。結果として、東北、関東、甲信越、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州におよぶ83水系278例の固定堰について、以下の項目のデータを得ることができた。 ・堰体外からの親水利用に関わる項目:両岸および直近の橋上からの堰体の可視性、可視性の低減要素、両岸の通路の有無および種別、堰体上の越流の状況 ・堰体上での親水利用に関わる項目:両岸から堰体へのアクセシビリティ、堰体への通路の有無と種別、堰体の接岸状況、接岸部の高低差、堰体の縦断面(形、全幅、高低差、勾配、天端幅、段差)、堰体の横断面(総延長、縦断面の延長、断面の連続する割合、断面が途切れる要素)、堰体の河床に対する比高(湛水側、浅瀬側)、堰体の水面に対する比高(湛水側、浅瀬側) ・管理状況(柵や施錠による立入規制、看板表示による行為制限、付属設備の存在) これらの成果により、今後、固定堰の親水利用の可能性の検証、事例の絞り込み、維持管理や住民との関係についての調査を進めることが可能となった。
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Research Products
(3 results)