2011 Fiscal Year Annual Research Report
水域ネットワーク再生に向けた魚類個体群動態予測モデルの構築
Project/Area Number |
22580281
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
竹村 武士 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・農村基盤研究領域, 主任研究員 (20373227)
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Keywords | 農村生態系 / 個体群動態 |
Research Abstract |
Fortran95言語を用いて、昨年度試作したプログラムをベースに、水路のネットワーク化による個体群再生の予測モデルの基本的枠組みを構築、提案した。本モデルでは生息場としての水路網を複数メッシュで表現する。そして、メッシュ間にできあがる各境界においては、そこを越える際の移動難易度を各メッシュの属性値として与えることで、分断点や魚道によるその改善(ネットワーク化)レベルを数値表現することを可能とした。この水路網内においては、計算機上に発生させた魚類個体(タモロコGnathopogon elongatus elongatus)が、個体毎に本モデルのサブモデルである移動モデル(昨年度構築。以前より国内外で指摘される定住型個体、移動型個体の混在を考慮可能なモデル)に従って水路内で移動を行う。その際に生じるメッシュ間境界を越えての移動は、上述のように数値表現された改善レベルに従って確率的に成否が決定される。そして、各メッシュ(各生息場)では1年毎に、そこにいる個体数を基にロジスティック型増殖モデルを用いて再生産後の個体数が計算される構造とした。本モデルを用いて水路網を想定し、改善対象となる分断点やその改善レベルの異なる複数のネットワーク化シナリオ下でシミュレーションを行い,それら予測結果の比較方法を提案した。こうした比較を行うことでより効果的と考えられるネットワーク化を検討することが可能となる。ただし、現状、本モデルでは各メッシュに与えられる環境収容力Kは均一であるため、環境の違いを考慮したモデル構造とできるよう改良を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、個体群モデルの利用に必要となるパラメータの検討、モデル構築およびデバック作業、シミュレーションの実行までを達成できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としては、現状本モデルでは各メッシュに与えられる環境収容力Kは均一であるため、環境の違いによるKへの影響を考慮したモデル構造とできるよう改良を進めていく予定である。
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