2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580283
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
黒田 清一郎 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・施設資源部・基礎地盤研究室, 主任研究員 (30343768)
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Keywords | 地盤 / 浸透 / 選択的流れ / 物理探査 / 原位置評価 |
Research Abstract |
水槽実験、土層実験そして野外試験それぞれにおける実験条件を想定し、電磁波伝播過程を再現するシミュレーションができるよう、解析コード等の整備を行った。これにより多数の選択的流れが発生した場合について数値実験を行ったところ、選択的流れの増大により不均一性が発達したことによる透過電磁波における散乱波の増大は、一件のノイズのように見える計測波形を生じさせるが、地震学におけるコーダ波干渉法を適用することにより選択的流れの増大等の変化に敏感に反応することを示した。よってこれはノイズではなく、地盤の不均一性を反映するコヒーレントな波動であり、従来法で用いられて来た初動の波よりも多くの情報を有するものと考えられた。本研究ではこのような従来考慮されていなかった後続波に注目し、地盤の選択的流れのような微小な現象を抽出する技術の開発を行うものである。 上記を再現し実証する室内試験装置として横0.3m×奥行き0.6m×高さ0.3m程度の水槽をとアクリル丸棒を多数用いて模擬的な不均一性媒質を作成し、1.5GHzの高周波数で短波長のレーダ装置を用いて計測を行った。これにより数値シミュレーション技術と、その提案技術の検証を行い、数値実験と同様の散乱波が発生する事を確認し、その不均一性を検出できることを実証した。 本研究では最終的に行う野外試験の成否が重要なキーとなる。よって国内の試験フィールドの中から実証試験に適した現地の抽出と踏査を実施した。現時点では静岡、高知、鳥取等の比較的透水性のよい地盤、あるいは透水性と難透水性の互層となっている地盤を中心に調査を行った。次年度実際に電磁波の透過特性等を検討し、現地試験地としての適用可能性について検討を行う。また富山県の現地で取得したデータによって、浸透過程における選択的流れの存在を検証した。
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Research Products
(3 results)