2011 Fiscal Year Annual Research Report
ユニバーサルデザイン機械化体系構築のための背負型機械設計条件の解明
Project/Area Number |
22580292
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
菊池 豊 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・作業技術研究領域, 主任研究員 (90391507)
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Keywords | ユニバーサルデザイン / ユーザビリティ / 高齢者 / 女性 / 背負型機械 |
Research Abstract |
農業の担い手確保するためには農作業に不慣れな者も身体負担が少なく、安全で簡単に作業できる作業体系が必要であり、そのためにユニバーサルデザイン機械化体系の構築を目的としている。 そこで本研究では、取扱性改良が特に遅れている背負型動力散布機を供試して、機体レイアウト等を見直し身体負担を軽減するとともに、女性、高齢者を含む使用者の体格、身体能力、感覚能力、認知能力等の範囲に対応するために人間工学やCAE手法を用いてモデルの試作・評価等から設計条件を解明し、背負型機械のUD設計指針を提案する。2011年度については、まず、文字と地の配色、表面光沢を変えてUD表示モデル58種類を試作した。照度3段階の環境下で、判読できる文字サイメを被験者39名に回答してもらった。その結果、色の組合せが白/黄赤、白/黄、黒/赤、黒/緑、青/黒が他の組合せより判読サイズが大きい。照度について、高ではサイズに差が小さいが、低・中では差が大きい。年齢について、高では判読できるサイズに差が小さいが低・中では60歳以上の方がより大きくなることを明らかにした。UD操作モデルについては、文字サイズを主要操作部16p、その他12pで見やすい配色とし、名称と操作順序を表示した。操作グリップは、系統毎に色分けしてUD操作モデルを試作した。 女性、高齢者等に対応できる背負動散のランバーパッド形状と、機体重心を体に近づけて身体負担を少なくするフレーム構造を検討しUDフレームモデルを試作した。その結果、パッド上下長さは、対照機より6cm延長し、機体と身体との距離を2cm短縮できた。圧力分布は、パッドはモデルの方が全体的に低く、ショルダーベルトは双方高い部分があった。主観評価は、モデルの方が良好で、ショルダーベルトは同程度であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
表示文字の視認性データが順調に蓄積できている。各UDモデルを検討し、実際に市販機に組み込んで試作したことにより、現実的な改良手法や設計条件とすることができた。また、研究成果を農業機械メーカ2社からへ技術指導できた。以上より、当初の計画とおりおおむね順調に進展しているとみとめられる。
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Strategy for Future Research Activity |
文字の視認性データ等を蓄積、分析する。各UDモデルを改良し改善効果を評価する。これらの設計条件、改良手法等を背負型機械のUD設計指針としてとりまとめる。なお、60歳以上の被験者確保に苦労しているが、職場OB等にも協力を依頼する。
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Research Products
(4 results)