2010 Fiscal Year Annual Research Report
画像特徴解析を基盤にした病害虫防除管理支援Webシステムに関する研究
Project/Area Number |
22580294
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
高橋 照夫 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (70003522)
|
Keywords | 農業報工学 / 画像処理 / 病害虫防除 / イネ病気 / 画像診断 / Web診断システム / 機械学習 / サポートベクターマシン |
Research Abstract |
イネ(水稲)の葉部と茎部における主な病気の診断において,病害虫専門家が病斑の画像特徴をどのように識別・利用しているかを明確にするため,青森県産業技術センターなどの研究員に聞き取り調査を行った結果,一般には病斑の外観上の特徴,気象状況,発生時期や部位などを判断材料とし,最終的には顕微鏡観察による胞子診断等で病名判定を行うこと,色・形状については,病気によって特有な典型的特徴に留意するものの,同じ病気でも発現態様が多様なものや,異なる病気でも類似外観を呈する場合があり,画像特徴だけでは一概に判定できないことが示唆された.これらより,画像特徴を病気診断に利用する場合は,各病気・病状の典型的特徴の抽出・分類とともに,類似した色・形状特徴の判別にも利用できる多段階分類や柔軟なパターン認識が可能な機械学習などを用いた判別手法が必要になると推察された.そこで,病害虫診断画像データベースの作成にあたってはこれらを考慮した整理法の検討する. 次に,カメラ撮影画像の病状特徴を自動解析処理によって診断支援する手法の確立に関する実験では,イネの主な病気3種の画像約600枚を供試して,形状指標として円形度やフェレ長比など5個,色指標として色相と彩度の2個を選定し,6種類の判別分析法(機械学習法としてサポートベクターマシン,集団学習,樹木モデル,従来法としてニューラルネットワーク,線形判別分析,2次関数判別分析)による判別性能と適用性を調べた.その結果,供試病気画像を4病状区に分けた一括分析ではいずれの判別法でも正判別率が75%以上となり,中でもサポートベクターマシンと集団学習が他に比べ高い判別精度を示した.ただし,病気によってはそれら以外の手法が良好な場合もあったので,実用化のため今後これら複数の手法を組み合わせた方法を検討する.
|