2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580311
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
六車 三治男 宮崎大学, 農学部, 教授 (50091369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 聡 宮崎大学, 農学部, 准教授 (30284821)
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Keywords | 食肉 / 発酵 / 乳酸菌 / 機能性 / 血圧上昇制 / 抗酸化活性 |
Research Abstract |
近年、保健的な機能性を有する多くの食品が開発されている。畜産食品においては、とくに乳製品の発酵乳を中心に機能性食品の開発研究が盛んに行われている。一方、食肉は栄養豊富な食品として古くから認識されてはいたが、機能性食品という観点からの開発研究のアプローチは遅れていた。そこで、良質なタンパク質等を多く含む食肉を発酵させることにより、高い機能性を有する発酵食肉製品の開発を行うことが本研究の目的である。 まず、古くから発酵食肉製品がごく一般的な食品として親しまれてきた欧米の生ハムや発酵ソーセージ類から7種類を選別し、それらの製品の機能性を解析した。さらに、それらから発酵食肉製品製造に利用可能な乳酸菌の単離を試みた。具体的には、7種類の発酵食肉製品の抗酸化作用の測定、血圧上昇抑制効果(ACE阻害活性)の測定を行い、市販の発酵食肉製品について発酵による生理活性機能の発現に関する基礎的知見の収集を行った。その結果、どの発酵食肉製品からも抗酸化活性が観察されたが、発酵ソーセージのスモークパンチェッタから0.722μmol/g Trolox相当量の非常に高い抗酸化活性が認められた。一方、ACE阻害活性に関しては、いずれの発酵食肉製品も同程度の高い活性を示した。食肉製品製造のためには、低温で増殖可能で、耐塩性を有しさらに亜硝酸耐性もある菌株を選定する必要がある。そこで、これら7種類の発酵食肉製品から乳酸菌の分離を試みた結果、77菌株の乳酸菌を分離できた。その後、食塩(5%)耐性を確認した結果、成長阻害率90%以上の乳酸菌を36菌株選抜できた。現在、これら36菌株の乳酸菌の亜硝酸Na(0.02~0.05%)への耐性確認実験を継続している。 次年度は、食塩耐性や亜硝酸Na耐性を有し、さらに機能性ペプチドを産生できる菌株を選定し、製造に使用可能な保有する乳酸菌を併用して、新規高機能性をもつ発酵食肉製品の開発を試みる予定である。
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Research Products
(4 results)