2010 Fiscal Year Annual Research Report
集落周辺に生息するニホンジカの行動特性の解明と被害管理手法の開発
Project/Area Number |
22580313
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
室山 泰之 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (70314242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森光 由樹 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 講師 (20453160)
阿部 豪 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 特任助教 (20528252)
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Keywords | 野生鳥獣管理 / 被害管理 / 行動特性 / 運動特性 |
Research Abstract |
本年度は、1)集落周辺に出没するシカの生態及び行動特性の解明と、2)野外行動実験による知覚及び運動特性の解明という2つの研究課題を並行して実施した。1)の課題については、被害発生地域において、集落周辺に生息するニホンジカの行動を赤外線カメラ(動画)による自動撮影装置を用いて記録し、集落への侵入経路や、そのときの行動の特徴について、予備的な解析を行った。また、集落に出没し捕獲されたメス1頭にGPS発信器を装着し、その後の行動を追跡した。GPSによる追跡期間は2010.5.19~6.27の約1ヵ月間で、その後、9月9日に捕殺されるまで捕獲装置(ワナ)への再訪は確認されなかった(自動撮影データによる確認)。データ分析の結果、昼夜で行動範囲や場所が大幅に変わること、捕獲装置(ワナ)への警戒心が持続することなどが明らかとなった。2)の課題については、京都精華大学キャンパス内に飼育されている個体と野生個体を対象に、イヌの音声の再生実験を行い、音声に対する反応や馴化の過程にあらわれる行動の変化などの予備的な解析をおこなった。また、野生個体が通過する経路に金属製のマットを敷き、対象物に対する初期反応と馴化過程を記録した。音声に対する忌避反応は、飼育個体では約2.5時間で、野生個体でも1-3日間で消失することが明らかとなった。一方、金属製マットに対しては2.5ヵ月間経過した時点で通過する個体が出現し、その後通過個体が増加しつつある。次年度は、赤外線カメラ(動画)による自動撮影装置を用いた野外個体の行動分析を継続するとともに、飼育個体を中心にさまざまな実験を行い、知覚や運動特性に対する知見を蓄積してゆく予定である。
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Research Products
(11 results)