2011 Fiscal Year Annual Research Report
胎児期の栄養制御と出生後の甲状腺操作によるブタにおける筋線維数と筋線維型の改変
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22580315
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
勝俣 昌也 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所・家畜生理栄養研究領域, 上席研究員 (60355683)
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Keywords | ブタ / 筋線維 / 栄養学 / アミノ酸 / 胎児 / 甲状腺ホルモン |
Research Abstract |
本研究は、ブタにおける「筋線維数を増やす技術」、「筋線維型を変化させる技術」の開発に向けて、胎児期のエネルギーの増給(=妊娠中の雌豚へのエネルギーの増給)、出生直後の子豚の甲状腺ホルモン濃度操作の有効性を検証することを目的としている。平成23年度は、アミノ酸(アルギニンとグリシン)を強化した飼料を、妊娠雌豚へ慣行量の1.5倍となるように増給するとともに、産子の甲状腺状態の操作を実施した。 方法:妊娠中の雌豚の妊娠25日目から50日目まで、慣行飼料と比較してアルギニンが2倍、グリシンが1.8倍の濃度になるように調整した飼料を、日本飼養標準に示された給与量の1。5倍給与した。妊娠1~24日目、51日目から分娩までは、慣行飼料を日本飼養標準に示された量給与した。対照区の豚には、日本飼養標準に示された量の慣行飼料を、妊娠期間を通じて給与した。雄の産子を3頭選び、対照区、甲状腺ホルモンT4投与区、抗甲状腺剤PTU投与区に割り振り、3週齢に達するまで飼育した。T4とPTUは経口投与し、各々の投与量はT4が80ug/kg体重、PTUが8mg/kg体重とした。各区2反復とした。 結果:試験区の一腹の生時体重は14.1kgと21.3kg、対照区は11.9kgと13.2kgであり、試験区の方が重かった。また、試験区の1頭は18頭分娩した。結論を出すには反復数が少ないが、妊娠中期にアルギニンとグリシンを強化した飼料を増給すると、産子数、一腹の生時体重が大きくなる可能性がある。また、産子の血漿中の甲状腺ホルモンT3とT4の濃度は、対照区、甲状腺ホルモンT4投与区、抗甲状腺剤PTU投与区の順に、T3(ng/ml):1.2,2.3,0.3、T4(ug/ml):5.4,18.8,0.6であり、T3にもT4にも処理の効果が認められた(P<0.01)。産子の筋肉の組織化学的検討は今後実施する予定にしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
妊娠中期にアルギニンとグリシンを強化した飼料を増給すると、産子数、一腹の生時体重が大きくなる可能性が示唆されている。産子の筋肉の組織化学的検討が未着手であるが、方法はすでに取得しているので今後速やかに実施できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に変更の必要は無い。産子の筋肉の組織化学的検討を早急に実施するとともに、各処理が最低4反復となるように、飼養試験を実施する。
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