2012 Fiscal Year Annual Research Report
完全合成培地を用いたブタ体外成熟卵子の成熟機構の解明と胚の体外生産技術の向上
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22580324
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
吉岡 耕治 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所・病態研究領域, 上席研究員 (20355192)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 応用動物 / 発生・分化 / 卵子成熟 / ブタ / 体外生産 |
Research Abstract |
ブタにおける胚の体外生産技術の高度利用のため、成分既知体外成熟培地(POM)を用いて、卵子の細胞質成熟と卵丘細胞の膨化に関与する因子の同定と機能解析を行い、卵細胞質成熟の改善と多精子受精率の低減による高品質体外生産胚の作出技術を開発する。 前年度までにPOMへの卵胞刺激ホルモン(FSH)あるいはトランスフォーミング増殖因子(TGF)-αの添加は、卵子の成熟および卵丘細胞の膨化を促進し、体外受精後の発生能を向上させるとともに、ヒアルロナン合成酵素2、ヒアルロナン結合タンパク質であるヒアルロナンプロテオグリカン連結タンパク質(HAPLN-1)およびバーシカン(VCAN)の遺伝子発現を変化させることを明らかにした。また、FSHとTGF-αを含むPOMへのHAPLN-1あるいはVCANの添加は、卵丘・卵子複合体(COCs)における卵丘細胞の膨化を促進することを示した。そこで、FSHとTGF-αを含むPOMにHAPLN-1、VCANおよび血清由来ヒアルロナン結合タンパク質(ITI)を単独あるいは組み合わせて添加してCOCsを培養(体外成熟)した後、体外受精・発生培養を行い、体外受精および胚の発生成績を調べた。HAPLN-1、VCANおよびITIを単独あるいは組み合わせて添加して成熟培養したところ、体外受精率、胚盤胞への発生率および胚盤胞の細胞数は、すべての組み合わせ間で差を認めなかった。しかし、VCANを添加した場合では、添加しない場合に比べ、多精子受精率が有意に高く、胚盤胞の細胞数が少なかった。以上より、FSHおよびTGF-αはブタ卵子体外成熟培養において卵子成熟を促進し、卵丘細胞膨化関連因子の遺伝子発現に影響を及ぼして完全合成培地によるブタ胚の体外生産効率を向上させるとともに、卵丘細胞膨化関連因子は、体外成熟卵子の体外受精能や胚発生能に影響を及ぼすことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)