2011 Fiscal Year Annual Research Report
個体発生においてフェロモン受容系の分化を司る分子制御機構の解明
Project/Area Number |
22580329
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
谷口 和之 岩手大学, 農学部, 教授 (70148089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重茂 克彦 岩手大学, 農学部, 教授 (60224309)
中牟田 信明 岩手大学, 農学部, 准教授 (00305822)
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Keywords | フェロモン / 発生 |
Research Abstract |
哺乳類の嗅覚受容器は個体発生の途中で嗅上皮、鋤鼻器、マセラ器の3つに分化して発達する。このうち嗅上皮は一般嗅覚系、鋤鼻器とマセラ器はフェロモン受容系を構成するが、これら嗅覚受容器の分化発達を制御する分子機構については今のところ全く不明である。そこで本研究では特に鋤鼻器へ焦点を絞り、フェロモン受容系の分化を司る分子制御機構を解明するのが目的である。 鋤鼻器が原始嗅上皮から分化する際に変動する遺伝子発現のDNAマイクロアレイ解析については、前年度に引続いてデータを詳細に分析し、その中から鋤鼻器の分化に関与することが示唆される遺伝子を選んでリアルタイムRT-PCRを行った。胎子組織における発現量の変化から鋤鼻器の発生運命を決定する候補遺伝子を絞り込み、胎子組織の鋤鼻予定域における発現細胞をin situハイブリダイゼーションと免疫組織化学によって確認した。これによって、ノックダウン細胞作製と培養鋤鼻モデルを用いた解析を行う最終候補遺伝子を決定した。 培養鋤鼻モデルを用いた遺伝子機能解析のため、前年度に引続いて任意の遺伝子ノックダウン細胞を用いた予備実験を行い、生化学的・形態学的評価基準の明確化を試みた。培養細胞はラット胎子の鋤鼻器予定域から上皮細胞を分離して用いた。遺伝子ノックダウンにはリン酸カルシウム法を用いた。細胞種の確認は、神経細胞マーカーの免疫染色や、レクチン組織化学によって行った。培養細胞の微細形態は走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡を用いて観察し、培養細胞における遺伝子発現の変化は、RT-PCRやウェスタンブロットによって解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子発現の解析は順調に進んでいるが、培養細胞の解析については遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ遅れている培養細胞モデルの解析を期間内に完了させるため、今後はノックダウン細胞の作製を重点的に進める。
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Research Products
(2 results)